登山を始めて数回目、初めて鎖場に遭遇したとき、体が固まってしまいました。足元には急斜面、手には冷たい鎖、「どこに足を置けばいいのか」と頭が真っ白になった経験があります。
鎖場や岩場の歩き方には基本のテクニックがあり、それを知っているかどうかで安全性と快適さが大きく変わります。この記事では、50代が安全に鎖場・岩場を通過するためのテクニックを、足の置き方・手の使い方・下りの方法・怖いときの対処法とともに解説します。
この記事でわかること
- 鎖場・岩場の歩き方の基本(足・手の使い方)
- 登りと下りで異なる鎖場の通過テクニック
- 50代が特に注意すべき安全ポイント
- 怖いと感じたときの判断基準と対処法

鎖場・岩場とはどんな場所か
鎖場とは、急傾斜の岩場に鎖が取り付けられた場所で、登山者がその鎖を使いながら通過するルートを指します。関東の山では高尾山・筑波山・丹沢・奥多摩などに鎖場があります。鎖場の難易度はさまざまで、ほぼ垂直に近い岩壁もあれば、傾斜が緩やかで補助的に使う程度のものもあります。初めて鎖場を通過する場合は、難易度の低い山から経験を積むのがおすすめです。
鎖場・岩場の基本ルール
鎖場の歩き方を学ぶ前に、安全通過のための基本ルールを把握しましょう。
- 一人ずつ通過する:鎖場は一人ずつ通過が原則です。同時に複数人が取り付くと落石・落下リスクが高まります
- 手袋を着用する:岩や鎖で手を切らないよう、グリップ力のある薄手の登山用グローブを使います
- 三点支持を徹底する:両手・両足のうち常に3点を岩・鎖に固定し、1点ずつ動かします
- 落石がないか確認する:鎖場の下で立ち止まるときは必ず岩陰に入り、上部を確認してから通過します
- 無理なら引き返す:鎖場の歩き方に自信がない場合は、引き返す判断も大切です
鎖場の歩き方|登りのテクニック
鎖場の登りでは、足の力を主体として鎖は補助的に使うことが基本です。鎖に体重をかけすぎると腕の疲労が早く、バランスを崩す原因になります。
足の置き方
岩場での足の置き方の基本は「靴のソールをできるだけ多く岩面に接触させる」ことです。つま先だけで立つのではなく、できる限り靴底の全体を乗せることでグリップが安定します。岩の出っ張り・くぼみ・亀裂など、安定した場所を探して1歩ずつ丁寧に体重を移してください。「ここに乗って大丈夫か?」を確認してから体重をかける習慣が鎖場の歩き方の安全につながります。
手の使い方・鎖の握り方
鎖は体を引き上げるためではなく、バランスを保つための補助として使います。握りすぎると腕が疲れ、怖さも増します。軽く握って、体のぐらつきを抑える程度が正しい鎖の使い方です。岩に手をつく場合は、岩の安定した出っ張りを確認してから体重をかけてください。雨上がりは特に慎重に確認してください。

鎖場の歩き方|下りのテクニック
鎖場の下りは登りより怖く感じる人が多く、50代が最も苦手とするシーンです。しかし正しい鎖場の歩き方を身につけると、安全に通過できます。
下りは体を岩に向けて後ろ向きで降りる
急傾斜の鎖場の下りでは、谷側を向くのではなく岩壁に体を向けて後ろ向きに降りるのが基本です。谷側を向くと視覚的な高度感から恐怖が増しますが、岩壁に向くと足元が見やすく三点支持も安定します。腰を落として重心を低くしながら、足を一歩ずつ確認して下りてください。
下りでの足の置き場確認
後ろ向きに降りるとき、足の置き場所は顔を横に向けて確認するか、下りる前に上から目視しておきます。「感覚」で降りるのではなく、足の置き場を確認してから体重を移す習慣が鎖場の歩き方の安全を確保します。
三点支持の実践方法
鎖場・岩場での三点支持とは、両手・両足の計4点のうち、常に3点を固定した状態を保ちながら1点ずつ動かす移動方法です。岩場の歩き方における最も基本的で重要なルールです。
実際には次のような順序で動かします。①右足を置く→②左足を動かす→③右手を動かす→④左手を動かす、のように一点ずつ順番に移動します。焦って2点同時に動かすとバランスを崩す原因になります。50代は三点支持を丁寧に実践することが特に重要です。後ろから来る登山者がいても、急かされて焦らないようにしてください。

鎖場で怖いと感じたときの対処法
鎖場で怖いと感じるのは珍しいことではありません。大切なのは「怖い」という感覚を無視せず、適切に対処することです。まず深呼吸して落ち着いてください。パニックになると筋肉が緊張し、体のコントロールが難しくなります。次に足元だけを見て、一点集中で次の足の置き場を探します。遠くや下を見ないことが鎖場の恐怖を和らげるコツです。
「どうしても動けない」と感じたら、後退(来た道を戻る)を選択してください。鎖場の通過を無理強いする必要はありません。「今日は引き返してトレーニングを積んで再チャレンジ」という判断は勇気ある正しい選択です。
50代が特に注意すべき鎖場・岩場のポイント
| 注意点 | 理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 濡れた岩は特に危険 | スリップリスクが3倍以上 | 雨天・雨後は岩場コースを避ける |
| 体力低下時の集中力低下 | 終盤は判断力・体力とも低下 | 昼食後と下山前に水分・行動食を補給 |
| 手袋着用 | 手が濡れると鎖が滑る | 薄手のグリップグローブを常備する |
| 前後の登山者との距離 | 落石・落下リスク | 前の人が完全に通過してから取り付く |
| 膝への負担 | 急下りで膝関節に大きな衝撃 | ストックを活用・段差を一歩ずつ |

FAQ|鎖場・岩場でよくある疑問
初心者が練習できる鎖場は関東にある?
筑波山の弁慶茶屋コースにある「弁慶岩」や高尾山の稲荷山コースの一部は、比較的難易度が低く初心者の練習に適しています。丹沢の大山・塔ノ岳にも鎖場があり、徐々にステップアップできます。
鎖場でヘルメットは必要?
落石リスクがある場所や難易度の高い岩場ではヘルメットの着用が推奨されます。日本の一般登山道レベルの鎖場では必須ではありませんが、クライミング要素が強い山では必須です。心配な場合は着用しておくと安心です。
鎖場でストックは使える?
鎖場でストックを使うと危険です。鎖場に取り付く前にストックをザックに収納し、両手を自由にして通過してください。通過後に再度取り出せばOKです。
鎖場の歩き方で靴はどれが向いている?
岩場の歩き方において靴底(ソール)の硬さとグリップ力が重要です。登山靴(ミッドカット以上)はソールが硬く岩のエッジを踏みやすいため、鎖場・岩場に適しています。スニーカーやトレランシューズは岩場では滑りやすいため、鎖場の歩き方に不向きです。
まとめ:鎖場・岩場の歩き方をマスターして登山の幅を広げよう
鎖場・岩場の歩き方の基本は三点支持・足の置き場確認・鎖は補助的に使う、の3点です。50代が安全に鎖場を通過するためには、焦らず一点ずつ確実に進むことが最大のコツです。
- 三点支持(3点固定・1点移動)を徹底する
- 足の置き場を必ず確認してから体重を移す
- 鎖は体を引き上げるためではなく補助として使う
- 急な下りは岩壁に体を向けて後ろ向きで降りる
- 怖いと感じたら引き返す勇気も大切にする
鎖場の歩き方を習得することで、これまで挑戦できなかった山に登れるようになります。低難易度の鎖場から始めて、着実に経験を積んでいきましょう。


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