天城山の山頂に立ちたいと思って地図を開くと、少し戸惑います。「天城山」という名前のピークが見当たらないからです。
天城山は伊豆半島の中央に連なる山々の総称で、実際に登るのは万三郎岳と万二郎岳という2つのピークです。この2座をどう結ぶかで、行程は4通りに分かれます。この記事ではその選び分けを整理します。
▶ 関連動画「その週末、まだ紅葉していません【10月の関東5山】」を公開しています。あわせてご覧ください。
この記事でわかること
- 天城山が総称で、最高峰は万三郎岳の1,406mであること
- 万二郎岳が1,299mで、名前と標高の高低が逆に感じられること
- 周回コースが9.6km・5時間41分・上り873mであること
- 万二郎岳だけの往復なら4.2km・2時間12分・上り328mで収まること
- 紅葉が10月から11月、シャクナゲが5月から6月であること

天城山とはどの山を指しますか?
天城山は静岡県の伊豆半島にある山々の総称です。日本百名山に数えられていますが、「天城山」という単独の山頂はありません。
| ピーク | 標高 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 万三郎岳(ばんざぶろうだけ) | 1,406m | 天城山の最高峰 |
| 万二郎岳(ばんじろうだけ) | 1,299m | 登山口から近いほうのピーク |
名前の順と標高が逆に感じられるかもしれません。「万二郎」より「万三郎」のほうが107m高く、こちらが最高峰にあたります。
登山口から歩くと先に着くのが万二郎岳で、そこから稜線をたどって万三郎岳へ向かう並びです。天城山に登ったと言うとき、どちらまで行ったのかで内容が変わります。
百名山としての天城山を踏んだことにするなら、最高峰の万三郎岳まで行く必要があります。百名山の全体像は日本百名山とは?電車で行ける山を紹介にまとめています。
周回と往復はどちらを選びますか?
天城山の登山ルートは、どこまで足を伸ばすかで4通りあります。距離と時間の幅が大きいため、体力と日程から逆算して選んでください。
| コース | 距離 | コースタイム | 累積標高差(上り) |
|---|---|---|---|
| 万二郎岳の往復 | 4.2km | 2時間12分 | 328m |
| 石楠立経由の往復 | 8.1km | 4時間32分 | 690m |
| シャクナゲコース | 8.1km | 4時間41分 | 705m |
| 馬の背・片瀬峠経由の周回 | 9.6km | 5時間41分 | 873m |
最も短い万二郎岳の往復は、上り328m・2時間12分です。標高差だけで見れば低山のハイキングと変わりません。ただしこれでは最高峰の万三郎岳を踏めません。

2座を通して歩くなら周回コースになります。9.6km・5時間41分・上り873mで、行動時間は休憩を含めて7時間前後を見ておくことになります。
周回は同じ道を戻らないぶん景色に変化が出ますが、途中で引き返す判断がしにくくなります。天候や体調に不安があるなら、往復のほうが安全です。
コースタイムを自分の速度に置き換える方法は登山のコースタイムの読み方で解説しています。
天城高原の登山口へはどう行きますか?
起点は天城高原にある天城縦走登山口です。天城高原ゴルフ場のレストハウス手前にあり、ハイカー専用の駐車場が用意されています。
- 駐車場|無料・約100台。ハイカー専用です
- トイレ|駐車場の脇にあります。冬期は閉鎖されることがあります
- 公共交通|伊東線・伊豆急行線の駅からバスで天城高原ゴルフ場停へ
伊豆半島の山なので、首都圏からは電車で伊東方面へ入り、そこからバスで標高を上げる形になります。バスの本数は多くないため、帰りの便から逆算して行程を組んでください。
関東から電車で行ける山の全体像は関東の電車で行ける登山ガイドにまとめています。
私が伊豆方面の山を計画するときに先に見るのは、登山口までのバスと、下山後に乗る列車の本数です。海沿いの路線は本数が読みにくく、ここを外すと待ち時間が長くなります。
天城山の紅葉はいつ見頃ですか?
天城山の紅葉は10月から11月にかけてです。例年11月上旬から11月下旬に、山全体が色づくとされています。
標高1,406mの万三郎岳から登山口のある天城高原まで標高差があるため、色づきは山頂側から下りてきます。同じ日でも歩く高さによって見え方が変わります。

伊豆半島は海に囲まれた地形で、内陸の山より冷え込みが緩やかです。そのぶん紅葉の時期は関東の内陸の山より遅めに来ます。
11月下旬まで楽しめるという点は、10月に見頃を迎える東北や北関東の山とずらして計画できるという意味でもあります。時期の考え方は紅葉狩りとは何をする?時期と服装の目安にまとめています。
行き先を標高帯ごとに比べたいときは紅葉の名所はどこ?電車で行く山13選から選んでみてください。
シャクナゲの時期はどうなりますか?
天城山のもう一つの見どころがシャクナゲです。見頃は5月から6月で、紅葉とは半年ずれます。
コース名に「シャクナゲコース」があることからも分かるとおり、この山ではシャクナゲの群落が目玉のひとつになっています。8.1km・4時間41分・上り705mの行程です。
同じ時期にはツツジも咲きます。春に登るか秋に登るかで、同じ山でもまったく別の印象になります。
| 時期 | 見どころ | 選びやすいコース |
|---|---|---|
| 5〜6月 | シャクナゲ・ツツジ | シャクナゲコース(8.1km・4時間41分) |
| 10〜11月 | 紅葉 | 周回(9.6km・5時間41分) |
ヒメシャラの林も天城山の特徴です。赤みを帯びたなめらかな幹が並ぶ樹林帯は、花や紅葉の時期を外しても見どころになります。
八丁池まで足を伸ばせますか?
天城山には、万三郎岳と万二郎岳を結ぶだけでなく、西へ縦走する道もあります。天城峠から八丁池を経て2座へ向かう天城縦走コースです。
小岳まで含めた縦走は15.6km・7時間55分・上り936mになります。周回の9.6kmと比べて6km長く、コースタイムで2時間以上増えます。
八丁池は天城の山中にある池で、紅葉の名所として知られています。周回コースからは外れるため、ここを目的にするなら行程を組み直すことになります。
起点と終点が離れる縦走のため、車で入ると回収の問題が出ます。公共交通で天城峠側から入り、天城高原へ抜ける形が組みやすい構成です。
この山域は富士箱根伊豆国立公園に含まれます。環境省が公園の区域と施設情報を公開しているので、規制や施設の状況は出発前に確認してください。
天城山にはどんな備えが要りますか?
周回コースを選ぶ場合、行動時間は7時間前後になります。標高1,400m級ですが、行動時間の長さに見合った装備が要ります。
- 登山靴|岩の露出した区間があり、足首を守れるものが安全です
- 雨具|伊豆半島は海が近く、天候が変わりやすい地形です
- 防風の上着|稜線では風が抜けます
- ヘッドライト|秋は日が短く、下山が押すと暗くなります
- 水と行動食|行動時間7時間前後に見合う量を持ってください
- バスと列車の時刻|本数が限られるため、帰りの便を先に押さえます
紅葉の時期は日没が早まります。11月下旬に周回を組むなら、朝の早い時間に登山口へ着く計画にしてください。
よくある質問|天城山
天城山の標高と最高峰を教えてください
最高峰は万三郎岳で標高1,406mです。もう一つのピークである万二郎岳は1,299mです。「天城山」という単独の山頂はなく、伊豆半島中央の山々の総称です。
天城山は初心者でも登れますか?
万二郎岳までの往復なら4.2km・2時間12分・上り328mで、比較的取り組みやすい行程です。ただし2座を結ぶ周回は9.6km・5時間41分・上り873mになるため、行動時間7時間前後を歩ける体力が必要です。
天城山の登山口はどこですか?
天城高原の天城縦走登山口が起点です。ハイカー専用の駐車場が無料で約100台分あり、公共交通なら伊東線・伊豆急行線の駅からバスで天城高原ゴルフ場停へ向かいます。
天城山の紅葉はいつですか?
10月から11月です。例年11月上旬から下旬が見頃とされています。伊豆半島は海に囲まれ冷え込みが緩やかなため、内陸の山より遅めに色づきます。
シャクナゲはいつ咲きますか?
5月から6月です。同じ時期にツツジも咲きます。紅葉とは半年ずれるため、春と秋で別の山のような印象になります。
まとめ:天城山のコースを決める3ステップ
- 最高峰を踏むかどうかを決める。万三郎岳1,406mまで行かないと百名山としての天城山にはならない
- 距離と時間で4通りから選ぶ。万二郎岳の往復4.2km・2時間12分から、周回9.6km・5時間41分まで幅がある
- 季節を決める。シャクナゲは5〜6月、紅葉は10〜11月で、半年ずれる
天城山は総称であるぶん、「どこまで歩くか」を先に決めないと計画が定まりません。表の数字で行程の幅を掴んでから、季節を合わせてください。
画像出典
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