十勝岳温泉は北海道の上富良野町にある温泉地ですが、登山者にとっては登山口の名前でもあります。
この登山口の標高は1,270mです。北海道の登山口としては高い部類で、標高2,077mの十勝岳へも往復6.5時間で届きます。しかも同じ場所から往復1.5時間のコースまで選べます。この記事では十勝岳温泉を起点にした5本を整理します。
この記事でわかること
- 十勝岳温泉の登山口が標高1,270mで、凌雲閣の目の前にあること
- 同じ登山口から往復1.5時間から6.5時間まで5本のコースが出ていること
- 十勝岳の頂上が標高2,077mで、往復約6.5時間とされること
- 最短のヌッカクシ火口コースが往復約1.5時間であること
- 紅葉が例年9月中旬から色づきはじめ、下旬に見頃を迎えること

十勝岳温泉の登山口はどこにありますか?
十勝岳温泉の登山口は、北海道上富良野町にあります。標高は1,270mです。
位置は凌雲閣の目の前とされています。駐車場が併設され、無料の駐車場にはトイレもあります。
この標高の高さが、十勝岳温泉を起点にする最大の理由です。麓から登り始める山と比べて、稼ぐべき標高差が最初から少なくなります。
十勝岳には望岳台からの登山口もあります。そちらの状況と噴火警戒レベルについては十勝岳は今登れる?噴火警戒レベルと望岳台にまとめています。
同じ十勝岳でも入口が違えば行程は別物です。十勝岳温泉から入る場合は、上富良野岳と上ホロカメットク山を経由する形になります。
どんなコースがありますか?
上富良野町の観光協会は、十勝岳温泉を起点とする5本のコースを案内しています。
| コース | 往復の所要時間 | 頂上の標高 |
|---|---|---|
| 十勝岳コース | 約6.5時間 | 2,077m |
| 富良野岳コース | 約5時間 | 1,912m |
| 上富良野岳コース | 約4.5時間 | 1,893m |
| 三段山コース | 約4時間 | 1,748m |
| ヌッカクシ火口コース | 約1.5時間 | — |
最短のヌッカクシ火口コースが往復約1.5時間、最長の十勝岳コースが約6.5時間です。同じ駐車場から、4倍以上の幅がある選択肢が出ていることになります。
この幅の広さが十勝岳温泉の特徴です。天候や体調によって、当日の朝に行き先を変えられます。
十勝岳コースは上富良野岳と上ホロカメットク山を経由します。上富良野岳だけなら約4.5時間ですから、途中で切り上げる形も成立します。
三段山コースは白銀荘へ向かうルートです。頂上標高1,748mで往復約4時間、5本のなかでは中程度の負担になります。
表を縦に見ると、頂上標高と所要時間がきれいに対応していないことが分かります。富良野岳1,912mが約5時間、上富良野岳1,893mが約4.5時間で、標高差19mに対して30分の開きがあります。歩く距離と登り返しの回数が違うためです。
三段山1,748mと上富良野岳1,893mの比較も同じです。標高で145m低い三段山が約4時間、上富良野岳が約4.5時間と、差は30分しかありません。十勝岳温泉のコース選びで、頂上の標高だけを基準にすると見誤ります。
どのコースを選べばいいですか?
選び方の基準は、確保できる行動時間です。

- 時間が2時間以下|ヌッカクシ火口コース(往復約1.5時間)
- 半日|三段山コース(約4時間)か上富良野岳コース(約4.5時間)
- 1日|富良野岳コース(約5時間)か十勝岳コース(約6.5時間)
富良野岳コースは高山植物が豊富とされています。頂上標高1,912mで往復約5時間ですから、花の時期に歩く価値のある行程です。
上富良野岳コースは1997年に命名された比較的新しいルートです。往復約4.5時間で、十勝岳コースの前半部分にあたります。
私が十勝岳温泉のような複数コースを持つ登山口を使うときは、第1候補と第2候補を必ず決めておきます。天候が崩れた日に「今日はやめる」ではなく「短いほうにする」と選べるからです。
北海道の山は移動距離が長く、現地で1日を無駄にする代償が本州より大きくなります。空港からの距離を考えれば、行き先を当日に差し替えられる登山口の価値は高くなります。
この点で十勝岳温泉は使いやすい登山口です。往復1.5時間の選択肢がある以上、遠方から来て何も歩けずに帰る事態は避けられます。
火山であることをどう考えますか?
十勝岳は活火山です。噴火警戒レベルによって、立ち入りが規制される場合があります。
十勝岳温泉から入る5本のコースも、規制の影響を受けます。とくに山頂を目指す十勝岳コースは、警戒レベルが上がれば歩けません。
計画を立てる順番としては、コース選びより先に警戒レベルの確認が来ます。ここが他の山と違う点です。
この一帯は大雪山国立公園に含まれます。環境省が公園の区域や施設の情報を公開しているので、規制の状況はここでも確認できます。
警戒レベルが上がっている時期でも、標高の低いコースは歩ける場合があります。十勝岳温泉を訪ねるなら、規制の範囲を確認したうえで行けるコースを選んでください。
コース詳細と最新の案内はかみふらの十勝岳観光協会で公開されています。
紅葉はいつ見られますか?
十勝岳温泉周辺の紅葉は、例年9月中旬から色づきはじめ、下旬にかけて見頃を迎えるとされています。

9月中旬という時期は、本州の山と比べてかなり早い部類です。関東や近畿の山が色づくのは10月下旬から11月ですから、1か月以上の差があります。
この早さは標高と緯度の両方によるものです。北海道の山では、旭岳も9月に見頃を迎えます。旭岳の紅葉は9月が見頃?姿見の池の一周コースと読み比べると、道内の紅葉の時期がつかめます。
東北まで下がると時期が少し遅れます。栗駒山の紅葉はいつ見頃?交通規制とシャトルバスが参考になります。
紅葉の時期に何を着るかは紅葉狩りとは何をする?時期と服装の目安に、他の山との比較は紅葉の名所はどこ?電車で行く山13選にまとめています。
9月下旬の十勝岳温泉は、平地の感覚では秋のはじめですが、標高1,270m以上の稜線では冬に近い日もあります。紅葉を目当てに行く場合ほど、防寒着を省かないでください。
服装と持ち物はどうしますか?
十勝岳温泉の登山口はすでに標高1,270mです。麓とは気温が違います。
往復1.5時間のヌッカクシ火口コースでも、火山地形の中を歩くことになります。日陰が少なく、風を遮るものもありません。
- 防寒着|9月でも稜線は冷える。ウインドシェルは必携
- 登山靴|火山礫の道は滑りやすい
- 飲み物|コース上に補給できる場所がない
- 雨具|天候が急変しやすい山域
往復6.5時間の十勝岳コースを選ぶなら、行動時間に見合った量の水と行動食が要ります。標高2,077mまで上がるため、途中で引き返す判断も想定しておいてください。
火山礫の道は、乾いていれば砂の斜面を歩く感覚になります。下りで足を取られやすいため、往復6.5時間の行程では後半に効いてきます。ストックがあれば持っていってください。
温泉が登山口にあることは、下山後の計画を立てやすくします。歩き終えてすぐ入れる位置関係は、十勝岳温泉という名前のとおりです。
十勝岳を含む山域の全体像は大雪山という山は無い?旭岳と黒岳を含む公園で整理しました。旭岳2,291mと十勝岳2,077mの位置づけが分かります。
よくある質問|十勝岳温泉
十勝岳温泉の登山口の標高はどれくらいですか?
1,270mです。凌雲閣の目の前にあり、駐車場とトイレが併設されています。
十勝岳温泉から十勝岳まで何時間かかりますか?
往復約6.5時間とされています。頂上の標高は2,077mで、上富良野岳と上ホロカメットク山を経由します。
一番短いコースはどれですか?
ヌッカクシ火口コースで、往復約1.5時間です。5本のなかで最も短い行程になります。
紅葉はいつ見頃ですか?
例年9月中旬から色づきはじめ、下旬にかけて見頃になるとされています。本州の山より1か月以上早い時期です。
噴火警戒レベルの確認は必要ですか?
必要です。十勝岳は活火山で、警戒レベルによって立ち入りが規制されます。コースを決める前に確認してください。
まとめ:十勝岳温泉のコースを選ぶ3ステップ
- 噴火警戒レベルを先に確認する。コース選びより前に来る手順になる
- 確保できる行動時間で絞る。往復1.5時間から6.5時間まで5本が同じ登山口から出ている
- 9月に行くなら防寒着を足す。紅葉は9月中旬から下旬で、稜線は本州の秋とは条件が違う
十勝岳温泉は標高1,270mという高い登山口から、負担の異なる5本を選べる場所です。天候や体調に合わせて当日に変更できる点を、計画に組み込んでください。
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