伊吹山の紅葉を調べると、麓から登るコースの記録がたくさん出てきます。ところが今、その道は歩けません。
▶ 紅葉の全体像は「紅葉の名所はどこ?50代が電車で行く山13選」にまとめています。
2023年の豪雨で登山道が大規模に崩壊し、米原市側の麓からの登山は禁止されたままです。かつてあったゴンドラも、もう動いていません。この記事では私たち編集部が公式情報を確認し、現在の伊吹山で紅葉を見る手段を整理しました。
▶ 関連動画「その週末、バス待ちは最大60分です【上高地の紅葉】」を公開しています。あわせてご覧ください。
この記事でわかること
- 麓から登れなくなった経緯と、禁止されている登山道の名前
- かつてあったゴンドラの現状
- 編集部が実測した山頂駐車場の標高と、歩ける標高帯
- 伊吹山ドライブウェイの料金と営業期間
- 標高別の紅葉の見頃
麓から登れなくなった経緯
米原市の伊吹山登山案内によると、2023年7月12日の大雨により、県道に指定されている米原市上野口からの伊吹山登山道が大規模に崩壊しました。
市の案内は「季節やルートにかかわらず、米原市側の麓からの登山はできません」と明記しています。土地の所有者が入山を禁止しており、時期を待てば解除されるという性質のものではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生 | 2023年7月12日の大雨 |
| 被害 | 米原市上野口からの登山道が大規模に崩壊 |
| 禁止されている道 | 伊吹山登山道・弥高登山道・上平寺登山道・バリエーションルート |
| 冬季登山 | 不可 |
| 現在歩ける範囲 | 山頂駐車場から続く西・中央・東の3本 |
検索で上位に出てくる伊吹山の登山記録の多くは、2023年より前のものです。表登山道の急登を紹介する記事も残っています。日付を見ずに計画を立てると、登山口で引き返すことになります。
当サイトにも麓から登る前提で書いた記事が残っています。現在は歩けないため、そちらの行程は使わないでください。
解除を待つべきか
崩れたのは県道に指定された区間で、規模も大きいものでした。加えて土地の所有者が入山を禁じています。復旧工事と所有者の判断という二つの条件が揃わないと再開しません。
いつ歩けるようになるという見通しは示されていません。今年の紅葉を見たいのであれば、麓から登る計画は最初から外して考えてください。

ゴンドラはもう動いていない
伊吹山にはかつてゴンドラがありました。3合目までを結ぶ設備で、これに乗って途中まで上がる方法が知られていました。
通年の運行は早い段階でなくなり、夏休みやゴールデンウィークだけの営業を経て、2010年夏を最後に動いていません。現在は廃止された状態です。
「伊吹山 ロープウェイ」で検索する人が今も一定数います。歩かずに高い場所へ上がる手段を探しての検索だと思われますが、その役割は現在ドライブウェイが担っています。
つまり伊吹山で紅葉を見る手段は、車かバスでドライブウェイを上がる一本に絞られています。
編集部が実測した山頂駐車場の標高
ドライブウェイの終点である山頂駐車場と、麓の登山口があった付近の標高を地図データで確認しました。
| 地点 | 実測標高 | 公称 |
|---|---|---|
| 伊吹山 山頂 | — | 1,377.4m |
| 山頂駐車場(ドライブウェイ終点) | 1,247m | 標高1,260m地点 |
| 麓の登山口付近(米原市上野) | 223m | — |
注目すべきは山頂駐車場と山頂の関係です。1,260mから1,377mまで、標高差は約117mしかありません。
一方、麓から山頂までは1,000m以上の標高差があります。実測でも駐車場と麓で1,024mの開きがありました。
登山道が閉じた結果、自分の足で歩ける範囲は最上部の117mだけになりました。残りの1,000mは車窓から見ることになります。
これは損失であると同時に、体力を理由に伊吹山を諦めていた人にとっては選択肢でもあります。標高差117mなら、登山の経験がなくても山頂に立てます。
山頂駐車場付近のストリートビューは2010年9月撮影と古く、ゴンドラが最後に動いた年と重なります。現地の設備は当時と変わっている可能性があります。
あわせて読みたい
伊吹山は新幹線で行ける?日帰り百名山のコース伊吹山ドライブウェイの料金と営業期間
伊吹山ドライブウェイのご利用案内によると、全長17kmで麓と山頂駐車場を結びます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全長 | 17km |
| 営業期間 | 4月第3土曜日〜11月23日 |
| 秋季の営業時間 | 8時〜19時(9月〜11月最終日曜) |
| 軽・普通自動車 | 3,400円(1往復) |
| 自動二輪車 | 2,300円(1往復) |
| 大型バス | 13,600円(1往復) |
紅葉期の営業終了は11月23日です。この日を過ぎると冬季閉鎖に入り、山頂へ上がる手段がなくなります。11月下旬に予定を組むなら、期限を先に確認してください。
料金は1往復で軽・普通自動車3,400円です。同乗者が増えても金額は変わらないため、複数人で行くほど1人あたりの負担が下がります。
山頂駐車場の使い方やバスでの行き方は「伊吹山は歩かずに登れる?山頂までのバスと周回路」で詳しく解説しています。
山頂で歩ける3本の道
伊吹山ドライブウェイの登山道案内によると、山頂駐車場からは3本の道が続いています。
| 道 | 距離と時間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 西登山道 | 片道1km・約40分 | 道幅があり傾斜も緩やか。琵琶湖を一望できる |
| 中央登山道 | 片道500m・約20分 | 3本で最短。階段状で傾斜がきつい |
| 東登山道 | 片道1.5km・約60分 | 下り専用。道幅が細い箇所が何か所もある |
紅葉を目的にするなら、上りは西登山道が向いています。距離は長いものの傾斜が緩く、琵琶湖側の展望が開けるためです。
東登山道は下り専用で、自然が豊かな道です。西で上がって東で下りる組み方にすると、往復で違う景色を見られます。
中央登山道は最短ですが階段状で傾斜がきつく、下りでひざに負担がかかります。時間がないとき以外は避ける判断もあります。
標高別の紅葉の見頃
伊吹山の紅葉は山頂の草紅葉から始まり、日ごとに麓へ下りていきます。
| 場所 | 標高の目安 | 見頃 |
|---|---|---|
| 山頂 | 1,377m | 10月上旬頃 |
| 山頂駐車場付近 | 1,260m | 10月中旬頃 |
| ドライブウェイ沿線(木々の多い帯) | 900m付近 | 10月下旬〜11月上旬頃 |
標高900m付近は視界が開け、琵琶湖や濃尾平野を眺めながら、見上げる紅葉と見下ろす紅葉の両方を楽しめる区間になります。
山頂の草紅葉と沿線の樹木の紅葉は、ひと月近く離れています。両方を見るなら2回行くか、10月中旬という中間の時期を選ぶことになります。
全長17kmの道はカーブが多く、曲がるたびに見える方角が変わります。停車できる場所は限られるので、正規の駐車スペースを使ってください。
紅葉の進み方には毎年ずれがあります。秋の気温が高い年は全体が遅れ、早く冷え込んだ年は前倒しになります。上の表は目安として使い、出発前に現地の状況を確認してください。

服装と持ち物
標高1,260mまで車で上がるため、里の服装のまま降りてしまいがちです。10月の山頂は風が強く、里との差が10℃前後になります。
- 防風性のあるアウター(山頂は遮るものがない)
- 薄手のフリースなどのミドルレイヤー
- 歩きやすい靴(西登山道は片道1km・40分の山道)
- 手袋と帽子(10月下旬以降の山頂は冷える)
- 飲み物(山頂で買える保証はない)
- 日焼け対策(樹林がなく日射を直接受ける)
登山靴でなくても歩ける道ですが、サンダルやヒールは向きません。片道40分の土と石の道だと考えて靴を選んでください。
紅葉期の服装の基本は「紅葉狩りとは何をする?時期と服装の目安」にまとめています。
歩かずに紅葉を見られる山をほかにも探すなら「紅葉のロープウェイはどこ?歩かず楽しむ山12選」が参考になります。
よくある質問
Q. 伊吹山に今も登れますか?
麓からは登れません。米原市は季節やルートにかかわらず麓からの登山はできないと案内しています。歩けるのは、ドライブウェイの山頂駐車場から続く3本の道だけです。
Q. 伊吹山にロープウェイはありますか?
ありません。かつて3合目まで結ぶゴンドラがありましたが、2010年夏を最後に動いておらず、現在は廃止されています。
Q. 紅葉はいつが見頃ですか?
山頂の草紅葉が10月上旬頃、山頂駐車場付近が10月中旬頃、木々の多い標高900m付近が10月下旬から11月上旬頃です。見たい場所で時期が変わります。
Q. ドライブウェイはいつまで通れますか?
営業期間は4月第3土曜日から11月23日までです。それ以外は冬季閉鎖になり、山頂へ上がる手段がなくなります。
Q. 山頂まで何分かかりますか?
西登山道なら片道約40分、中央登山道なら約20分です。標高差は約117mしかないため、登山の経験がなくても山頂に立てます。
まとめ
- 麓からの登山は2023年7月の崩落以来できない。伊吹山・弥高・上平寺の各登山道が対象
- ゴンドラは2010年夏を最後に廃止。上がる手段はドライブウェイ(全長17km・軽普通車3,400円)だけ
- 歩けるのは山頂駐車場から山頂までの約117m。紅葉の見頃は山頂10月上旬・900m付近10月下旬〜11月上旬
伊吹山は、山そのものではなく登り方が変わった山です。古い記録を前提に計画すると成立しません。
一方で標高差117mという条件は、体力を理由に諦めていた人に山頂を開いてもいます。前提を今の姿に置き換えて計画してください。


コメント