荒川岳は南アルプスの山で、悪沢岳、中岳、前岳という3つの3,000m峰が連なり「荒川三山」とも呼ばれています。登山口の椹島までは一般車が入れず、山小屋に泊まることを前提に登る山です。この記事では、静岡県自然保護課と山小屋を運営する特種東海フォレストの案内をもとに、荒川岳に登るのに必要な日数と区間ごとの時間、山小屋の営業期間を整理します。
▶ 山小屋の全体像は「山小屋予約を確実に取るコツ|夏山シーズンの時期と方法」にまとめています。
この記事でわかること
- 荒川岳が悪沢岳3,141m・中岳3,083.7m・前岳3,068mの3峰からなること
- 椹島から清水平まで4時間程度、千枚小屋までさらに3時間程度かかること
- 静岡県が所要日数を4泊5日以上、熟練者向けとしていること
- 千枚小屋と荒川小屋の2026年の営業が10月11日までであること
- 中岳周辺に南アルプス最大級のお花畑があること
荒川岳はどんな山ですか?
3つの3,000m峰の総称です。静岡県自然保護課の南アルプスの案内によると、荒川岳は悪沢岳(3,141m)、中岳(3,083.7m)、前岳(3,068m)の3つの峰が連なる山で、荒川三山とも呼ばれ、日本百名山に選ばれています。

最も高い悪沢岳の山頂には、赤石山脈の名前の由来となった赤い石(チャート)が多く見られると紹介されています。3つの峰のうち前岳は、山頂の崩壊による浸食が激しいため注意が必要とされています。山と溪谷オンラインによると、悪沢岳の正式な名前は東岳ですが、一般には東岳と呼ばれず悪沢岳の名で通っています。標高は日本で6番目の高さです。同じ椹島から登る赤石岳とは、荒川小屋を挟んで稜線でつながっています。
荒川岳の登山は何日かかりますか?
静岡県は4泊5日以上としています。静岡県自然保護課の案内は、荒川岳の所要時間を「4泊5日以上」、難易度を熟練者向けとしています。これは畑薙第一ダムから椹島への移動と、赤石岳方面への縦走を含む長い日程を想定したものと考えられます。
| 区間(静岡県の案内) | 所要時間 |
|---|---|
| 椹島ロッヂ〜清水平 | 4時間程度 |
| 清水平〜千枚小屋 | 3時間程度 |
| 千枚小屋〜荒川小屋 | 5時間程度 |

椹島から千枚小屋までで7時間程度かかり、ここで1泊するのが基本の流れです。千枚小屋から悪沢岳、中岳、前岳を越えて荒川小屋まで5時間程度歩き、2泊目になります。この区間の時間だけを足しても、椹島から荒川小屋までで12時間程度になり、日帰りできる山ではないと編集部は考えます。
資料によって時間は違いますか?
椹島から千枚小屋までの時間に1時間ほどの差があります。山と溪谷オンラインは、椹島から千枚小屋まで約6時間、千枚小屋から悪沢岳の往復にさらに約3時間としています。静岡県自然保護課の清水平経由の時間を足した7時間程度とは、1時間ほどの違いです。
| 区間 | 静岡県自然保護課 | 山と溪谷オンライン |
|---|---|---|
| 椹島〜千枚小屋 | 7時間程度(4時間+3時間) | 約6時間 |
| 千枚小屋から悪沢岳 | ― | 往復約3時間 |
| 想定する日程 | 4泊5日以上 | 2泊3日から4泊5日程度 |
山と溪谷オンラインは、畑薙第一ダムから林道を約5時間歩いて椹島に泊まる行程も紹介しています。送迎バスを使えばこの林道歩きは約70分の乗車になりますが、バスは山小屋の宿泊が条件です。計画を立てるときは、長い方の7時間を使って千枚小屋までの時間を見積もると、日没に追われにくくなります。
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特種東海フォレストの送迎バスを使います。同社の送迎バスの案内によると、畑薙夏期臨時駐車場から椹島ロッヂまで約70分で、同社が運営する山小屋やロッヂに1泊以上泊まる人は往復無料です。テント泊だけの場合は使えません。
- 運行期間:2026年7月11日〜10月12日(それ以外の時期は要相談)
- 対象施設:椹島ロッヂ、千枚小屋、赤石小屋、荒川小屋、百間洞山の家、赤石岳避難小屋
- 林道を走るため、乗車中はヘルメットを着用する
- 荒天や林道の閉鎖時は運行しない
送迎バスの予約と山小屋の条件の関係は、同じ仕組みを使う赤石岳の記事で詳しく整理しています。荒川岳でも、小屋の予約が入山の前提になる点は同じです。
千枚小屋と荒川小屋の営業期間と料金は?
2026年は7月11日から10月11日までです。特種東海フォレストの山小屋情報によると、千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋の営業期間と料金は次のとおりです(予定)。
| 小屋 | 営業期間(2026年) | 料金 |
|---|---|---|
| 千枚小屋・荒川小屋・赤石小屋 | 7月11日〜10月11日 | 1泊2食15,000円/素泊まり11,000円 |
| 中岳避難小屋 | 7月11日〜9月22日 | 素泊まりのみ11,000円 |

千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋は、7月11日から15日までと、9月23日から10月11日までは素泊まりのみの営業です。シーズン終盤の今の時期に登る場合は、食料をすべて自分で持って上がる必要があります。3,000mの稜線では10月に雪が降ることもあり得るため、素泊まりの荷物に加えて防寒着と滑り止めを持つかどうかも、出発前の天気予報を見て判断してください。千枚小屋のテント場は30張程度で幕営料は1人2,000円、中岳避難小屋の周辺には指定地がなくテントは張れません。
千枚小屋はどんな小屋ですか?
富士山がよく見える小屋です。静岡市の南アルプス情報サイト「南プス」は、千枚小屋を標高2,600m、収容80人の小屋とし、いちばんの魅力は目の前に広がる富士山の眺めだと紹介しています。

同じサイトによると、千枚小屋は2012年に建てられた比較的新しい小屋で、名物はハンバーグです。まわりは高山植物が豊かで、シカのほかオコジョやルリビタキも見られるとされています。椹島から7時間程度登った先で1泊する小屋なので、翌日に三山を越える体力を残せるかどうかが荒川岳の計画の分かれ目になります。
荒川小屋はどんな小屋ですか?
荒川岳と赤石岳の間にある小屋です。南プスの荒川小屋の紹介によると、荒川小屋は標高2,600m、収容50人で、椹島の赤石岳登山口から歩いて10時間あまりの場所にあります。富士山が真正面に見える位置にあり、特に朝焼けの富士山は一見の価値があると紹介されています。
小屋から40分ほどのところには、標高2,600m以上の高地としては日本最大級のお花畑があるとされています。秋にはまわりのダケカンバが紅葉します。予約は6月1日から受け付けており、事前の予約が必須です。荒川三山を越えた日の宿になることが多く、翌日に赤石岳へ向かうか椹島へ下るかを決める拠点でもあります。
荒川岳の見どころは?
中岳周辺のお花畑です。静岡県自然保護課は、中岳の周辺に南アルプス最大級のお花畑が広がっていると紹介しています。シカによる食害が大きい南アルプスの中で、防鹿柵によって守られている場所です。

悪沢岳の赤いチャートと、中岳のお花畑、崩れやすい前岳と、三山それぞれに違う表情があります。南アルプスのほかの山と比べるなら、入門として知られる仙丈ヶ岳に比べて荒川岳は登山口までの移動も山中の日数も長く、塩見岳や聖岳と同じく、南アルプスの奥深さを感じる山です。
よくある質問|荒川岳
荒川岳と悪沢岳は同じ山ですか?
悪沢岳は荒川岳(荒川三山)の最高峰で、3,141mです。荒川岳は悪沢岳・中岳・前岳の総称です。
悪沢岳は日本で何番目に高い山ですか?
山と溪谷オンラインでは、3,141mで日本第6位の高さとされています。
荒川岳の登山は何日かかりますか?
静岡県自然保護課は4泊5日以上としています。
椹島から千枚小屋まで何時間?
清水平まで4時間程度、そこから千枚小屋まで3時間程度です。
荒川岳の山小屋はいつまで営業していますか?
2026年の千枚小屋と荒川小屋は10月11日まで(予定)で、9月23日以降は素泊まりのみです。
荒川小屋はどこにありますか?
荒川岳と赤石岳の間、標高2,600mにあり、収容は50人です。
中岳避難小屋にテントは張れますか?
周辺に指定地がなく、幕営はできません。
まとめ|荒川岳は小屋泊まりの日数から決める
荒川岳は、山小屋に泊まりながら数日かけて三山を越える山です。
- 日数を決める。静岡県の目安は4泊5日以上
- 小屋を予約する。送迎バスは小屋やロッヂに泊まる人が対象
- 営業期間を確かめる。2026年は10月11日まで、終盤は素泊まりのみ
山の標高と特徴、区間の所要時間と日数の目安は静岡県自然保護課、山小屋の営業期間と料金、テント場、送迎バスの条件は特種東海フォレスト、千枚小屋の特徴は静岡市の南アルプス情報サイトの案内に基づいています。
画像出典
本文の写真はUnsplashで公開されているものです(撮影:ji tuneji3_3、Zion C、Bill Michaudの各氏)。荒川岳の実際の風景ではありません。


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