富士登山を計画するとき、最初にぶつかる壁が「4つあるルートのうち、どれを選べばいいのか」という疑問ではないでしょうか。
吉田・富士宮・須走・御殿場という富士登山の4つのルートは、それぞれ標高差や距離、混雑度が大きく異なり、同じ富士登山でも歩く印象は全く違うものになります。
筆者自身は富士登山の経験はありませんが、50代夫婦で無理なく登山を続けている立場から、御殿場ルートの特徴を一次情報ベースで徹底的に調べました。
この記事では、富士登山の御殿場ルートについて、基本データから特徴、山小屋事情、50代の体力目安まで、ルートを決める前に知っておきたい情報をまとめて解説します。
体力や希望する富士登山のスタイルに合わせて、自分たちに合ったルートを選ぶ判断材料にしてください。
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この記事でわかること
- 御殿場ルートの標高差・距離などの基本データ
- 4ルート最長というルートの現実
- 大砂走りのダイナミックな下山
- 山小屋が少ない理由と対策
- 向いている人・向いていない人の特徴

御殿場ルートの基本データ
御殿場ルートは静岡県側、御殿場口新五合目(標高約1,450m)を起点とする、4ルートの中で最も標高の低い場所からスタートするルートです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 起点の標高 | 約1,450m(4ルート最低) |
| 山頂までの標高差 | 約2,250m〜2,327m(4ルート最大) |
| 歩行距離 | 約17.0km(4ルート最長) |
| 山小屋 | 七合目より上にしかない |
| 下山 | 大砂走り(火山砂礫を約5km) |
御殿場ルートはどんな特徴?
御殿場ルートは、4ルートの中で距離が最も長く標高差も大きいため、上級者向けのコースとされています。
その分、登山者が少なく静かに富士山と向き合えるという魅力もあります。
皇太子(現在の天皇陛下)が登られたことで知られる「プリンスルート」も、この御殿場ルートの一部を通っています。
御殿場口新五合目は標高が低いぶん比較的アクセスしやすく、麓の御殿場市街地からも近いという地の利があります。
御殿場アウトレットなど周辺の観光施設と組み合わせて、登山前後の予定を立てやすいのも意外なメリットです。
下山後は御殿場市内で温泉に立ち寄り、長時間の登山で疲れた体をゆっくり休めるプランもおすすめです。長丁場になる分、無理のない前後泊のスケジュールを組んでおくと安心です。
| ルート | 標高差 | 距離 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 吉田ルート | 約1,400m | 往復約13.8km | 最も整備・利用者最多 |
| 富士宮ルート | 約1,300m | 最短 | 傾斜急・高山病リスク高め |
| 須走ルート | 約1,800m | 往復約13.5km | 樹林帯・空いている |
| 御殿場ルート(このルート) | 約2,250m | 約17.0km | 最長・上級者向け |
他ルートとの詳しい比較は富士山のルートはどれを選ぶ?でも解説しています。
4ルート最長という現実
標高約1,450mの御殿場口新五合目から山頂までは、標高差約2,250m・歩行距離約17.0kmという長丁場です。
他の3ルートが標高2,300〜2,400mの五合目からスタートするのに対し、御殿場ルートは標高が低い分、体力的な負担が大きくなります。
七合目までは砂礫の斜面が延々と続き、目印となる山小屋も少ないため、体力だけでなく精神的な粘り強さも求められます。
大砂走りのダイナミックさ
下山では、火山砂礫を約5kmにわたって駆け下る「大砂走り」が待っています。
他ルートの砂走りよりもスケールが大きく、一歩で数メートル進めるほどの独特の感覚を味わえます。
一気に標高を下げられる爽快感がある一方、長い下りで膝への負担も大きいため富士山の下山と膝の痛み対策を必ず確認してから臨みましょう。

御殿場ルートの山小屋は?
山小屋は七合目より上にしか存在せず、他ルートに比べて選択肢が少ないのが特徴です。
七合目から下は山小屋が一切ないため、休憩や避難ができるポイントが限られる点も理解しておく必要があります。
計画段階で宿泊地点をあらかじめ絞り込んでおく必要があるため、富士山の山小屋の選び方を参考に早めに検討しておきましょう。
御殿場ルートの混雑状況は?
4ルートの中で最も登山者が少なく、静かに歩けるのが大きな魅力です。
混雑を避けたい人や、自分のペースでじっくり登りたい人に向いています。
人が少ない分、単独での体調不良時に助けを求めにくいというデメリットもあるため、複数人での行動が推奨されます。
御殿場ルートの下山はどう歩く?
下山は大砂走りを中心に、火山砂礫の斜面を約5kmにわたって下ります。
登りとは全く異なる感覚で歩けるルートですが、長時間の下りになるため足腰への負担は大きめです。
視界を遮るものが少ない開放的な景色を楽しみながら下れるのも、このルートならではの魅力です。
50代の体力目安は?
4ルートの中で最も体力を要するルートのため、事前のトレーニングは他ルート以上に重要です。
いきなり御殿場ルートに挑むのではなく、吉田ルートなどで富士登山を経験してから段階的にステップアップするのも一つの方法です。
富士山の体力作りを参考に、最低でも3ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。
御殿場ルートに向いているのはどんな人?
登山経験があり、静かな環境でじっくり富士山と向き合いたい人に向いています。
大砂走りのダイナミックな下山体験を求めるベテラン登山者にも人気があります。
反対に、初めての富士登山や体力に自信がない50代には荷が重いルートです。まずは吉田ルートや富士宮ルートで経験を積み、体力に自信がついてから検討することをおすすめします。
初めての富士登山や、体力に不安がある50代には、吉田ルートや富士宮ルートの方が安全に楽しめます。

服装・持ち物で気をつけることは?
御殿場ルートは行動時間が長く、山小屋も少ないため、他ルート以上に予備の水と行動食を多めに携行する必要があります。
日差しを遮るものがほとんどない開放的な地形のため、日焼け止めや帽子などの紫外線対策も欠かせません。
服装全般は富士山の服装対策、靴選びは富士山の登山靴の選び方を参考にしてください。
長時間行動になる分、着替えや予備の靴下を用意しておくと、汗冷えによる体力消耗を防げます。
- レインウェア(上下セパレートタイプ)
- 防寒着(フリースやダウン)
- 日焼け止め・帽子(日差しを遮るものが少ないため)
- 行動食・水分(2L以上を目安に)
- 予備の靴下・着替え
山頂に着いたら何をする?
御殿場ルートの山頂付近は他ルートと合流するため、静かだった道のりから一転して賑わいを感じられます。
長時間の登りで体力を使い切っていることも多いため、山頂での行動は最小限にとどめ、大砂走りの下山に体力を残しておく判断も必要です。無理に剣ヶ峰まで足を延ばそうとせず、その日の体調を最優先に考えましょう。
天候急変時の判断基準は富士山の天候判断を参考にしてください。
よくある質問|御殿場ルート
登山口へのアクセスは?
御殿場口新五合目へは、御殿場駅からのバスでアクセスできます。他ルートに比べてバスの本数が少ないため、時刻表の事前確認が欠かせません。基本情報は富士登山【50代完全ガイド】も参考にしてください。
マイカー規制はありますか?
御殿場ルートは他の3ルートと異なりマイカー規制の対象外で、開山期間中は車で御殿場口新五合目まで行くことができます。電車・バス移動が中心の50代夫婦でも、レンタカーという選択肢が使いやすいルートです。
山小屋の予約は必要?
山小屋の数が少ないため、利用を予定している場合は他ルート以上に早めの予約が必須です。満室の場合は日程をずらすなどの柔軟な対応も検討しましょう。
初心者だけで歩けますか?
距離・標高差ともに4ルート最大のため、初心者だけで挑むのはおすすめできません。経験者との同行や、他ルートでの経験を積んでからの挑戦を検討しましょう。
所要時間の目安は?
登り約8〜10時間、下り約3〜4時間が目安です。他ルートより長時間になるため、日程に余裕を持たせましょう。
他ルートと比べて何が一番の注意点ですか?
距離・標高差ともに最大で、山小屋も少ない点が最大の注意点です。初めての富士登山にはおすすめできないため、他ルートでの経験を積んでから挑むことをおすすめします。
まとめ:御殿場ルートを歩く3ステップ
- 4ルート最長という距離・標高差の現実を正しく理解する
- 他ルート以上に早めから体力づくりと山小屋予約を進める
- 大砂走りの下山に備えて足腰への負担を軽減する装備を整える
御殿場ルートは、静かな富士山を味わいたい経験者に向いた上級者向けのコースです。
体力に自信がついてから挑戦する「次のステップ」として、選択肢に加えてみてください。
無理は禁物ですが、大砂走りの爽快感は他ルートでは味わえない特別な体験になるはずです。


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