「奥多摩って、電車で本当に行けるの?」。東京都内で本格的な山歩きができると知ったときの驚きを、今でも覚えています。御岳山のケーブルカーで山上に降り立ったとき、目の前に広がる奥多摩の深い緑に思わず声が出ました。都心から2時間以内で、こんな別世界に来られるのかと。奥多摩は50代が電車だけでアクセスでき、難易度の異なる複数のコースを選べる、関東屈指の日帰り登山エリアです。この記事では、アクセス方法から50代向けおすすめコース3選、注意点、下山後の温泉まで徹底的にご紹介します。
私たちが奥多摩を初めて訪れたとき、都内からわずか1時間ちょっとでこれほど深い山の空気が味わえることに驚きました。
そもそも奥多摩とは?東京都内で本格登山が楽しめるエリアを解説
奥多摩は東京都西部に広がる山岳地帯で、雲取山(2,017m)を最高峰に複数の山が連なります。新宿から電車で約1時間30分でアクセスでき、日本百名山・奥多摩三山(大岳山・三頭山・御前山)を抱える関東有数の登山エリアです。
高尾山よりルートのバリエーションが豊富で、日帰りから1泊2日まで幅広いスタイルに対応しています。「高尾山は卒業した」「もう少し本格的な山に挑戦したい」という50代にとって、奥多摩は理想的なステップアップ先です。この記事では電車で行く50代向け奥多摩おすすめコース3選を解説します。
この記事でわかること
- 新宿・立川からの電車アクセスと運賃・所要時間
- 50代向けコース3選(川苔山・御岳山〜大岳山・高水三山)の特徴と難易度比較
- 各コースの具体的なルートと歩行時間の目安
- 奥多摩登山で50代が特に注意すべきポイント
- 下山後に立ち寄れる温泉とアクセス情報

奥多摩はどうやって電車で行くのか?アクセスを完全解説
奥多摩への主要ルートは2つあります。
まず「奥多摩駅」を目指すルートです。新宿駅からJR中央線で青梅駅へ、そこでJR青梅線に乗り換えて奥多摩駅まで、所要時間は約1時間50分〜2時間、運賃は¥1,144(ICカード)です。
土休日には「ホリデー快速おくたま号」が新宿〜奥多摩間を乗り換えなしで直通し、約1時間45分で結びます。
新宿6:34発・7:34発が使いやすい時間帯で、指定席(¥530)もあるので事前予約がおすすめです。
もうひとつのルートが「御嶽駅」を目指すルートです。新宿からJR中央線→青梅線で御嶽駅まで約1時間20分、¥880です。御岳山や大岳山へアクセスする際はこちらが便利です。
高水三山を歩く場合は「軍畑駅(いくさばた)」が起点となります。新宿から青梅線で青梅駅を経由し、軍畑駅まで約1時間30分、¥990です。
立川駅からも奥多摩・御嶽方面へのアクセスが便利です。八王子・相模原方面からは立川乗り換えが一番シンプルで、立川→奥多摩は約1時間10分、¥792です。
いずれのルートも乗り換えは1〜2回で済み、早朝5〜6時台の電車に乗れば7〜8時には登山口に立てます。渋滞や駐車場を気にしなくていい点が、電車登山最大の魅力です。
50代向けコース3選はどれがおすすめか?特徴と難易度を比較
| コース名 | 難易度 | 標高 | 歩行時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 川苔山 | 中級 | 1,363m | 約5〜6時間 | 沢沿いの絶景、本格的な山歩き |
| 御岳山〜大岳山 | 中程度 | 1,266m | 約4〜5時間 | ケーブルカー利用可、眺望抜群 |
| 高水三山 | 初〜中級 | 759m | 約4時間 | 3つの山を縦走、達成感あり |
登山経験が少ない50代には高水三山から始めることをおすすめします。
体力に自信がついてきたら御岳山〜大岳山へ、さらにステップアップしたい方は川苔山に挑戦するという順番がベストです。
川苔山コースはどんな魅力があるのか?

川苔山(1,363m)は奥多摩エリアで最も人気の高いコースのひとつです。
最大の魅力は、登山道の大半が沢沿いを歩くルートになっていることです。
清流のせせらぎを聞きながら歩けるため、夏場でも涼しく快適に登れます。
アクセスと出発点:奥多摩駅から西東京バスで川乗橋バス停へ(土休日のみ・約15分・¥370)。バスは奥多摩駅8:35発が使いやすい時間帯です。川乗橋バス停からスタートします。
コースタイム:川乗橋→百尋の滝(1時間)→川苔山山頂(さらに2.5時間)→大根ノ山ノ神→奥多摩駅(2時間)、合計約5.5〜6時間です。
途中にある百尋の滝は落差40mの壮大な滝で、川苔山登山のハイライトのひとつです。
滝を正面から眺めるポイントまで整備された道があり、迫力ある水しぶきを間近に体感できます。
春は新緑が目に鮮やかで、秋は色づく木々が沢面に映り込む絶景が楽しめます。
山頂(1,363m)からは晴れた日に富士山を望むことができ、頂上は開けた広場になっており昼食休憩にちょうどよいスペースがあります。
難易度は中級で、岩場や急登もあります。登山靴・トレッキングポール必携で臨んでください。
沢沿いルートは滑りやすい箇所があるため、スパッツ(ゲイター)をつけると安心です。
御岳山〜大岳山コースはどれくらいの難易度か?

御岳山〜大岳山コースは、ケーブルカーを活用できる50代に非常に相性のよいコースです。
アクセス:御嶽駅→西東京バス(滝本行き・約10分・¥280)→御岳登山鉄道(ケーブルカー)で御岳山駅(831m)へ。ケーブルカーは6分・¥610(片道)、始発は6:10(土休日)です。
御岳山山頂(929m)には武蔵御嶽神社があり、境内の散策だけでも十分楽しめます。
神社周辺には売店・食堂が複数あり、山上でうどんや蕎麦を食べてから大岳山へ向かえます。
大岳山(1,266m)は御岳山から尾根を歩いて約2時間です。
尾根歩きは眺望が開けて気持ちよく、アップダウンも適度なため50代にちょうどよい負荷です。
山頂直下には鎖場がありますが、ゆっくり慎重に通過すれば初心者でも問題ありません。
大岳山頂からの富士山・奥多摩の眺望は絶品で、天気のよい日に訪れる価値が十分あります。
下山はピストンで御岳山に戻り、ケーブルカーで下りることができるので体力調整がしやすいコースです。
ケーブルカーの最終便(下り)は平日18:30、土休日18:00なので、時間を見ながら行動してください。
高水三山コースは50代の初心者に向いているか?

高水三山は「高水山(759m)・岩茸石山(793m)・惣岳山(756m)」の3つの山を縦走するコースです。
3つ山を制覇する達成感がありながら、累積標高差は約700mと奥多摩エリアでは控えめです。
コースタイム:軍畑駅(スタート)→高水山(1.5時間)→岩茸石山(30分)→惣岳山(40分)→御嶽駅(1時間10分)、合計約4時間です。
スタートとゴールが異なる駅(軍畑駅→御嶽駅)なので、電車で完結する縦走が楽しめます。
高水山山頂には常福院という古刹があり、山の中に突然現れる趣のある境内が見どころです。
岩茸石山山頂からは奥武蔵から奥多摩にかけての山々が一望でき、3山の中で眺望が最も開けています。
惣岳山を越えて御嶽駅に下りる最終区間は急な下りが続くため、トレッキングポールを活用してください。
紅葉シーズン(10〜11月)の眺望は特に素晴らしく、夫婦での秋の日帰り登山にもおすすめです。
整備状況がよく道迷いしにくいため、YAMAPを起動しておけばほぼ迷わず歩けます。
奥多摩登山で50代が注意すべき点は何か?
奥多摩は都内にありながら本格的な山岳地帯です。以下の点に注意してください。
バスの本数が少ない:川苔山コースのバスは土休日のみ・1日数本です。帰りのバス時刻も事前に確認し、逆算してスタートしてください。乗り遅れると次のバスまで1時間以上待つことになります。
ヤマビルに注意(春〜秋):奥多摩の沢沿いルートはヤマビルが生息しています。長袖・長ズボン着用、塩や虫除けスプレーで対策しましょう。川苔山の沢ルートは特に注意が必要です。
携帯が圏外になる区間がある:山中では携帯電話の電波が届かない区間があります。YAMAPなどのオフラインマップを事前にダウンロードし、電波なしでも使えるようにしておきましょう。
登山届を提出する:奥多摩は都内とはいえ遭難事故が毎年発生しています。奥多摩ビジターセンター(奥多摩駅隣)の登山届ポストか、コンパスなどのオンラインサービスで事前提出してください。提出した情報が万が一の救助時に活用されます。
最終電車と水分を確認する:奥多摩駅の最終電車は22時台ですが、冬季は日没が早いので16〜17時には下山完了を目標にしてください。飲料水は1〜1.5L以上、行動食も多めに持参しましょう。
熊対策も必要:奥多摩でも近年ツキノワグマの目撃情報が増えています。熊鈴を携行し、単独行の場合は声を出しながら歩くことで遭遇リスクを大幅に下げられます。
下山後の温泉はどこがおすすめか?

奥多摩の下山後は、ぜひ温泉で疲れを癒してください。
もえぎの湯:奥多摩駅から徒歩5分と抜群のアクセスです。アルカリ性単純泉で筋肉の疲労回復に効果的。料金は平日¥900、土休日¥1,000。木曜定休、営業時間は10:00〜20:00(夏季は延長あり)。週末は混雑するため、下山後は早めに向かうのがポイントです。
数馬の湯:奥多摩駅からバスで約30分の檜原村にある温泉施設です。湯船が広くゆったりしており、¥800(平日)で利用できます。
御岳山・高水三山コースの場合は、御嶽駅周辺の「玉川屋旅館」の日帰り入浴(¥700)も選択肢のひとつです。
奥多摩は登山後の温泉と食事のセットが定番で、もえぎの湯→奥多摩駅前の食堂でザルそばというルーティンが登山者に人気です。
「山の休日珈琲」は11時オープンのカフェで、下山後のコーヒーと軽食に最適です。登山者同士が集まる雰囲気も心地よく、次の山行計画を立てるのにもぴったりな場所です。
奥多摩をもっと楽しむために知っておくといい情報は何か?
奥多摩ビジターセンター(奥多摩駅隣・入館無料)では、動植物の展示や登山コースの最新情報を無料で入手できます。スタッフに当日のルートを相談すると、道の状況や注意箇所を教えてもらえるので、初めての奥多摩では必ず立ち寄ってください。
奥多摩駅から徒歩3分の「奥多摩工場もえぎの里」では、奥多摩の食材を使ったジビエ料理やクラフトビールを楽しめます。登山後の打ち上げ場所としても人気があります。
登山地図はYAMAPアプリのほか、奥多摩ビジターセンターで紙の地図(無料)も配布しています。スマートフォンのバッテリーが切れた場合の保険として、紙の地図も1枚持参することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
奥多摩は初心者でも登れますか?
コースによります。高水三山は初心者〜中級者向けで、登山経験が少ない50代にもおすすめです。川苔山は中級コースで、急登や沢沿いの滑りやすい道があるため、ある程度の経験と体力が必要です。初めての奥多摩は御岳山(ケーブルカー利用)か高水三山から始めるとよいでしょう。
奥多摩に行くベストシーズンはいつですか?
春(4〜5月)と秋(10〜11月)がおすすめです。春は新緑と山桜、秋は紅葉が美しく、気候も穏やかで登りやすいです。夏は沢沿いルートが涼しくて快適ですが、ヤマビルに注意してください。冬(12〜2月)は雪や凍結でアイゼンが必要になる場合があります。
奥多摩登山に必要な装備は何ですか?
登山靴・トレッキングポール・レインウェア・行動食・水(1L以上)・地図アプリ(YAMAP等のオフライン対応)が必須です。川苔山の沢ルートではスパッツ(ゲイター)があると泥はねを防げます。携帯の充電器も持参しておくと安心です。
奥多摩駅周辺に食事できる場所はありますか?
奥多摩駅周辺には複数の食堂・カフェがあります。「鳥喜多」はカツ丼・定食で登山者に長年愛されている名店で、平日でも混みやすいため早めに入店するとよいです。駅ビル内に売店もあります。登山前に行動食を買い忘れてもここで調達できます。
一人でも安全に登れますか?
整備されたメインルートであれば一人でも登れます。ただし50代の単独登山は、家族や知人に行き先・下山予定を必ず伝えてから出発してください。YAMAPのビーコン機能(現在地自動共有)を活用すると、万が一のときに位置情報を伝えられます。高水三山・御岳山コースは登山者が多く安心感があります。
奥多摩と高尾山、どちらが先がよいですか?
高尾山を先に歩いてから奥多摩をおすすめします。高尾山は標高599mで整備が行き届いており、登山靴や行動食の感覚を身につけるのに最適です。高尾山で2〜3回歩いて体力・装備の確認ができたら、次のステップとして高水三山(奥多摩)に挑戦する流れがベストです。
まとめ:今日からできる奥多摩登山準備
- コースを選ぶ(初めてなら高水三山 or 御岳山〜大岳山)
- YAMAPをインストールしてオフラインマップをダウンロードする
- バス時刻を確認し、奥多摩駅8:35発のバスに合わせて逆算して家を出る
奥多摩は東京都内にいながら本格的な山の自然を楽しめる、50代登山者にとって最良の練習場です。まず一歩を踏み出してみてください。歩くほどに奥深さがわかり、次の山行が待ち遠しくなります。


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