屋久島へ行くと決めたとき、多くの人が迷うのが宮之浦岳と縄文杉のどちらへ向かうかです。宮之浦岳は標高1,936mの九州最高峰、縄文杉は荒川登山口から往復約22kmの巨木です。名前は並べて語られますが、行程も性格もまったく違います。この記事では宮之浦岳と縄文杉のコースを数字で比べ、どちらを選ぶかの判断材料を整理します。
この記事でわかること
- 宮之浦岳と縄文杉で行程がどれだけ違うか
- 淀川登山口からの往復13.1km・10時間50分という数字
- 縄文杉の往復約22km・標準9〜10時間という数字
- 荒川登山口へのマイカー規制が3月〜11月にかかること
- 環境保全協力金が日帰り1,000円・山中泊2,000円であること
宮之浦岳と縄文杉はどう違いますか?
宮之浦岳は山頂を目指す登山、縄文杉は巨木を見に行くトレッキングです。どちらも一日仕事ですが、道の性格が違います。
| 項目 | 宮之浦岳 | 縄文杉 |
|---|---|---|
| 目的地 | 標高1,936mの九州最高峰 | 荒川登山口の奥にある巨木 |
| 起点 | 淀川登山口 | 荒川登山口 |
| 距離 | 往復13.1km | 往復約22km |
| 所要時間 | コースタイム10時間50分 | 標準9〜10時間(休憩を除く) |
| 標高差 | 山頂まで登る | 約700m |
| 道の性格 | 樹林帯から高層湿原、稜線へ | トロッコ道約8.5km+登山道約2.5km |

数字を見ると、距離は縄文杉のほうが長く、コースタイムは宮之浦岳のほうが長くなります。縄文杉の往復22kmのうち約8.5kmはトロッコ道で、傾斜がゆるいぶん距離を稼げるためです。宮之浦岳は距離が短くても標高を上げ続けます。
宮之浦岳の登山は何時間かかりますか?
淀川登山口から宮之浦岳を往復するコースタイムは10時間50分、距離は13.1kmです。九州最高峰を日帰りで踏むには、日の出とともに歩き出す必要があります。
| コース | 距離 | コースタイム |
|---|---|---|
| 淀川入口〜宮之浦岳 縦走 | 9.8km | 8時間00分 |
| 宮之浦岳 往復(淀川登山口) | 13.1km | 10時間50分 |
| 淀川入口〜宮之浦岳〜縄文杉〜荒川登山口 縦走 | 21.5km | 14時間29分 |
| 淀川登山口〜宮之浦岳〜縄文杉〜大王杉 縦走 | 21.3km | 16時間18分 |
| 淀川登山口〜黒味岳〜宮之浦岳〜永田岳〜縄文杉 縦走 | 25.0km | 19時間38分 |
宮之浦岳と縄文杉を1本の行程でつなぐこともできます。ただし21.5kmで14時間29分になり、日帰りの範囲を明らかに超えます。両方を見たいなら、山中泊にするか日を分けるかの二択です。

宮之浦岳のコースはどんな道ですか?
淀川登山口からの道は、樹林帯を抜けて花之江河へ出る構成になっています。花之江河は日本最南端の高層湿原で、屋久島の中でも独特の景観です。
その先で樹林が切れ、稜線に出ると視界が開けます。天候に恵まれれば、海に囲まれた島の地形を360度見渡せます。逆に言えば、稜線に出るまでは展望がほとんどありません。

私たちが離島の山を計画するときは、天候の当たり外れを前提にします。屋久島は雨の多い島として知られており、稜線の展望は運の要素が大きくなります。展望が得られなくても価値のある行程かどうかで、行き先を決めてください。
縄文杉のコースはどんな道ですか?
縄文杉へは荒川登山口から片道11kmを歩きます。内訳はトロッコ道が約8.5km、登山道が約2.5kmで、前半の大半が線路の上を歩く区間です。往復約22km、標準所要は休憩を除いて9〜10時間になります。
トイレの位置も把握しておいてください。大株歩道入口には水場とトイレがありますが、その先の縄文杉までは既設のトイレがなく、携帯トイレブースが設けられています。携帯トイレを持参する前提の区間があるということです。
- トロッコ道 約8.5km: 傾斜はゆるいが単調。距離を稼ぐ区間
- 登山道 約2.5km: ここから本格的な登り
- 大株歩道入口: 水場とトイレがある。ここが最後の既設トイレ
- その先: 携帯トイレブースのみ。携帯トイレを持参する
トロッコ道は単調に思えますが、傾斜がつき始める区間があり、樹林帯の中を進みます。ここで飛ばすと、その先の登山道で足が残りません。コースの詳細は環境省 屋久島世界遺産センターの荒川口〜縄文杉往復で確認できます。
荒川登山口へはどう行きますか?
荒川登山口には自家用車で入れません。毎年3月から11月までマイカー規制があり、タクシーかシャトルバスを使う必要があります。縄文杉を目指すなら、この交通手段の確保が最初の段取りになります。
登山バスの券を買うタイミングで済ませておきたいのが、環境保全協力金の納入です。「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金」という制度があり、荒川登山バス券の購入時にあわせて納めるのが便利だと案内されています。
| 区分 | 協力金(中学生以上) |
|---|---|
| 日帰り登山 | 1,000円 |
| 山中泊登山 | 2,000円 |
金額と納入方法は環境省の環境保全協力金の案内で確認してください。
どちらを選べばいいですか?
選び方の基準は「山頂に立ちたいか、巨木を見たいか」です。行程の重さで選ぶと、どちらも一日仕事なので決め手になりません。
- 九州最高峰の山頂を踏みたい: 宮之浦岳。淀川登山口から往復13.1km・10時間50分
- 屋久島らしい森と巨木を見たい: 縄文杉。荒川登山口から往復約22km・9〜10時間
- 両方見たい: 21.5km・14時間29分の縦走になるため、山中泊か日を分ける
- 体力に不安がある: どちらも一日行程。日程に余裕を持たせる
九州の他の山と比べると、宮之浦岳の10時間50分は最も重い部類です。韓国岳が3時間15分、久住山が4時間46分、開聞岳が5時間20分ですから、桁が違うと考えてください。
屋久島の山はいつ行くのがいいですか?
屋久島は標高差が大きく、海岸から1,936mまでが一つの島に収まっています。このため、麓と山頂で季節が別物になります。宮之浦岳の山頂は冬に積雪があり、南の島という印象とは違う条件になります。
紅葉についても押さえておいてください。縄文杉へ向かうトロッコ道沿いでは、秋にカエデやナナカマドの色づきが見られます。山の紅葉というより、森の中の色の変化を楽しむ形になります。
| 時期 | 屋久島の山の状態 |
|---|---|
| 春 | 新緑。ヤマザクラが見られる |
| 夏 | 樹林帯は涼しいが湿度が高い |
| 秋 | トロッコ道沿いでカエデやナナカマドが色づく |
| 冬 | 山頂部は積雪。装備が別物になる |
宮之浦岳にはどんな装備が必要ですか?
宮之浦岳の山頂は平地より約12℃低い計算になります。標高100mごとに気温が約0.6℃下がるため、標高1,936mでは麓との差が大きく開きます。南の島だからといって薄着で行くと、稜線で震えることになります。
雨への備えも欠かせません。屋久島は雨の多い島で、行動時間が10時間を超えるぶん、濡れたまま過ごす時間も長くなります。雨具は防水性能のしっかりしたものを選んでください。
- 化繊またはウールの長袖(綿は濡れると乾かない)
- 雨具上下(防水性能の高いもの。防風着を兼ねる)
- フリースまたは薄手ダウン
- 登山靴(10時間を超える行程に耐えるもの)
- ヘッドライト(日の出前から歩き出す前提)
- 携帯トイレ(縄文杉方面へ回る場合)
- 水と行動食
よくある質問|宮之浦岳
宮之浦岳の標高はどれくらいですか?
標高1,936mです。屋久島にあり、九州の最高峰にあたります。
宮之浦岳は日帰りできますか?
淀川登山口からの往復でコースタイム10時間50分です。日帰りは可能ですが、日の出とともに歩き出す前提になります。
宮之浦岳と縄文杉は同じ日に回れますか?
つなぐことはできますが、淀川入口から荒川登山口までの縦走で21.5km、14時間29分になります。日帰りの範囲を超えるため、山中泊か日を分けるほうが現実的です。
荒川登山口へ車で行けますか?
行けません。毎年3月から11月までマイカー規制があり、タクシーかシャトルバスを使う必要があります。
屋久島の環境保全協力金はいくらですか?
中学生以上で日帰り登山が1,000円、山中泊登山が2,000円です。荒川登山バス券の購入時にあわせて納めるのが便利だと案内されています。
まとめ|屋久島の行き先を決める3ステップ
宮之浦岳と縄文杉はどちらも一日行程です。目的・交通・装備の順に決めていきます。
- 山頂に立ちたいなら宮之浦岳(13.1km・10時間50分)、巨木を見たいなら縄文杉(約22km・9〜10時間)を選ぶ
- 縄文杉なら荒川登山口のマイカー規制を前提に、タクシーかシャトルバスと環境保全協力金を手配する
- 雨の多い島で10時間前後行動する前提で、防水性能の高い雨具とヘッドライトを用意する
同じく長時間の行程になる山としては羊蹄山があります。往復10時間近く、水場もないという条件で、宮之浦岳と近い重さです。


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