富士山の登山費用を見積もるとき、最初に固定でかかる金額があります。登山道の入口を通るための費用です。
2026年シーズンは、4つのルートすべてで1人1回4,000円です。夫婦2人なら、山に入る前に8,000円が確定します。
金額は同じですが、山梨県側と静岡県側で手続きが違います。山梨県と静岡県が公表している内容をもとに整理します。
この記事でわかること
- 富士山の登山費用のうち4,000円が4ルート共通で固定であること
- 山梨県側と静岡県側で金額は同じでも手続きが違うこと
- 静岡県側だけe-ラーニングの受講が必要であること
- 午後2時から翌午前3時は山小屋の予約がないと入れないこと
- 吉田ルートには1日4,000人という人数の上限があること
4ルート共通で4,000円
まず金額です。ルートごとの扱いを並べます。
| ルート | 所管 | 金額 |
|---|---|---|
| 吉田ルート | 山梨県 | 4,000円 |
| 富士宮ルート | 静岡県 | 4,000円 |
| 御殿場ルート | 静岡県 | 4,000円 |
| 須走ルート | 静岡県 | 4,000円 |
4つとも同じ金額です。山梨県は「通行料」、静岡県は「入山料」という名称を使っていますが、1人あたり1回4,000円という点は変わりません。
ルートを選ぶ理由から、費用が外れたということになります。以前は県によって扱いが違いましたが、2026年シーズンは金額での差がありません。
富士山の登山費用を考えるうえで、この4,000円は削れない部分です。日帰りでも山小屋泊でも、登る回数だけかかります。
私がこの数字を見て最初に計算したのは、夫婦で登る場合でした。2人で8,000円が、交通費や山小屋代とは別に必要になります。
静岡県側だけ講習が必要
金額が同じでも、支払うまでの手順が違います。ここが実務上いちばん大きな差です。
静岡県側の3ルートでは、入山証の発行前にe-ラーニングの受講が必要です。富士山の保全と安全登山のルールやマナーを、事前に学ぶ仕組みになっています。
窓口は「静岡県富士登山事前登録システム」で、静岡県FUJI NAVIという名称です。2026年シーズンの事前登録は、2026年5月8日金曜日の午前10時から始まりました。
一方の吉田ルートには、「富士山吉田ルート通行予約システム」があります。こちらは事前の予約と決済ができる仕組みですが、現地での支払いも受け付けています。
つまり、静岡県側は事前登録と学習が前提、山梨県側は事前予約が任意という違いです。当日の朝に思い立って向かえるかどうかが変わります。
支払い方法にも案内があります。静岡県側は現地で現金のほか、各種クレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応しています。
午後2時からの壁
富士山の登山費用と同じくらい計画を左右するのが、入山できる時間帯です。
山梨県は吉田ルートのゲートについて、午後2時から午前3時まで閉鎖すると示しています。静岡県側も、午後2時から翌午前3時までに入山する場合は山小屋の宿泊が必須としています。
両県で表現は違いますが、実質は同じ制約です。午後2時以降に登り始めるなら、山小屋の予約がなければ入れません。
この規制は、夜通し歩いて山頂で日の出を迎えるという登り方を、正面から制限しています。弾丸登山と呼ばれてきた行程が、制度として通らなくなったということです。
裏を返せば、山小屋を予約すれば時間の制約から外れます。山小屋代は4,000円とは別にかかりますが、行程の自由度を買う費用だと考えると位置づけがはっきりします。
山小屋の選び方については、富士山の山小屋に個室はある?夫婦の快適な泊まり方で部屋のタイプごとの違いを扱っています。
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吉田ルートには、もう1つ数の制約があります。
山梨県は、1日あたりの登山者数の上限を4,000人としています。この人数に達すると、その日はゲートが閉まります。
通行料の4,000円と人数上限の4,000人が同じ数字ですので、混同しないでください。片方は金額、もう片方は人数です。
ここでも山小屋宿泊者は例外です。山梨県のページは、時間規制と人数規制のいずれも山小屋宿泊者を除くと明記しています。ただし通行料そのものは必要です。
上限に達する日を避けたいなら、通行予約システムで事前に押さえておくのが確実です。予約は任意ですが、当日の状況に左右されなくなります。
ルートごとの性格の違いは、富士山の登山口はどこ?4ルートの比較と選び方で距離や標高差から整理しました。費用が横並びになった以上、選ぶ基準はこちらに移ります。
日帰りと山小屋泊の分かれ目
午後2時という区切りは、行程の型を2つに分けます。
1つ目は日帰りです。午前3時から午後2時までのあいだにゲートを通り、その日のうちに下山する形になります。山小屋を使いませんので、富士山の登山費用のうち宿泊費が丸ごと不要です。
ただし時間は厳しくなります。吉田ルートの往復は一般に10時間前後を見込む行程ですので、午後2時ぎりぎりに入ると下山が夜になります。実際には午前中の早い時間に出発する前提です。
2つ目は山小屋泊です。午後に五合目へ入り、途中の小屋で仮眠を取り、翌朝に山頂へ向かう形が組めます。時間規制と人数規制の両方から外れるのが大きな利点です。
費用は宿泊費のぶん上がりますが、通行料の4,000円は変わりません。回数で課金される仕組みですので、泊まっても2回分にはならないということです。
どちらを選ぶかは、体力と休暇の取り方で決まります。費用だけで比べると日帰りが安く、成功率と安全性で比べると山小屋泊が有利です。
2人で登る場合の固定費
人数が決まれば、固定の部分は正確に出せます。
大人2人なら通行料は8,000円です。4人のグループなら16,000円になります。
この金額は登る回数に対してかかりますので、同じ夏に2回登れば1人8,000円です。年に何度も登る人ほど負担が増える設計になっています。
富士山の登山費用のうち、この部分だけは値切りようがありません。逆に言えば、計画の最初に確定させられる唯一の項目でもあります。
静岡県側を選ぶ場合、事前登録の締め切りにも注意してください。2026年シーズンの登録開始は5月8日の午前10時でした。開山の2か月近く前から受け付けが始まっています。
4,000円以外にかかるもの
4,000円は入口の費用にすぎません。総額を出すには、ほかの項目を足す必要があります。
- 交通費|五合目までのバスやマイカー規制期間中のシャトル
- 駐車場代|規制期間中は麓の駐車場を使う
- 山小屋代|1泊の宿泊費。午後2時以降に入山するなら実質必須
- トイレのチップ|山中の各所で必要
- 装備|靴・防寒着・ヘッドランプなど
このうち交通と駐車場については、富士山はマイカー規制中どう行く?駐車場とバスで移動手段ごとに整理しています。
トイレは見落としやすい項目です。富士山のトイレ事情は?チップの相場と携帯トイレで、必要になる場面をまとめました。
富士山の登山費用を組み立てるときは、4,000円を土台に置き、そこへ交通・宿泊・現地の細かい出費を積み上げてください。固定費が明確になったぶん、残りの見積もりはしやすくなっています。
よくある質問|富士山の登山費用
富士山に登るのにいくらかかりますか?
2026年シーズンは、4ルートとも1人1回4,000円の通行料または入山料が必要です。交通費や山小屋代は別途かかります。
ルートによって金額は違いますか?
違いません。吉田・富士宮・御殿場・須走のすべてで4,000円です。名称だけ山梨県が通行料、静岡県が入山料となっています。
事前に何か手続きは必要ですか?
静岡県側の3ルートは、入山証の発行前にe-ラーニングの受講が必要です。吉田ルートは通行予約が任意で、現地払いもできます。
何時まで登り始められますか?
午後2時から翌午前3時までは、山小屋の宿泊予約がないと入山できません。吉田ルートはこの時間帯にゲートが閉鎖されます。
登れる期間はいつですか?
吉田ルートが7月1日から9月10日まで、静岡県側は7月上旬から9月10日までです。
人数の制限はありますか?
吉田ルートは1日あたり4,000人が上限です。この人数に達するとゲートが閉まりますが、山小屋宿泊者は対象外になります。
まとめ
- 4,000円を土台に置きます。2026年シーズンは4ルートすべて共通で、人数分そのままかかります。
- 静岡県側を選ぶなら事前登録を済ませます。e-ラーニングの受講が入山証の発行条件です。
- 午後2時を基準に行程を決めます。それ以降に登り始めるなら、山小屋の予約が前提になります。
富士山の登山費用は、県ごとの差がなくなったぶん見積もりやすくなりました。固定の4,000円を先に置き、移動と宿泊を足してから計画を確定してください。


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