伊豆ヶ岳の男坂は登れる?女坂の閉道と現在の道

朝もやの谷を見下ろす岩の露出した尾根 奥多摩・奥武蔵

伊豆ヶ岳といえば男坂の鎖場、という紹介をよく見かけます。ところが埼玉県が公開している関東ふれあいの道の案内を読むと、男坂はそもそも正規のルートではないと明記されています。さらに迂回路にあたる女坂も土砂崩れで閉道しています。標高851mの低山でありながら、ルートの状況が入り組んでいる山です。この記事では現在どの道を通ることになるのかを、県の公開情報をもとに整理します。

伊豆ヶ岳の基本情報

山名伊豆ヶ岳
所在地埼玉県
標高851m

この記事でわかること

  • 男坂が関東ふれあいの道のルートに含まれていないという県の記載
  • 女坂が土砂崩れで閉道しており、迂回路として使えないこと
  • 現在の通行路が男坂と女坂の中間にある道であること
  • 「伊豆ヶ岳を越えるみち」が14.5km・4時間30分・健脚向きという県の設定
  • 正丸峠付近で注意が呼びかけられていること

伊豆ヶ岳の男坂は今も登れますか?

埼玉県は男坂を推奨していません。県が公開している「伊豆ヶ岳を越えるみち」の案内では、男坂について関東ふれあいの道のルートではないと明記したうえで、滑落と落石の危険がある非常に危ないルートだと説明されています。

朝もやの谷を見下ろす岩の露出した尾根

男坂は伊豆ヶ岳の山頂北側にある岩場で、鎖を使って岩肌を登る区間です。長さは50mほどと紹介されることが多く、低山の鎖場としては規模があります。この見た目の派手さが、伊豆ヶ岳の名前と一緒に広まりました。

個人の登山記録には男坂を登ったものが数多く残っています。ただしそれらは道路管理者の案内とは別の判断です。県の案内をどう受け取るかは各自の判断になりますが、少なくとも「整備された正規ルート」ではないという事実は知ったうえで選んでください。

女坂はどうなっていますか?

土砂崩れのため閉道しています。男坂を避ける人が向かう迂回路が女坂でしたが、現在はそちらも通れません。つまり伊豆ヶ岳では、長く語られてきた「男坂か女坂か」という二択が、どちらも成立しない状態になっています。

草の生えた岩まじりの登り

古い記事や動画を見て計画を立てると、ここで行き詰まります。女坂を前提に「初心者でも大丈夫」と書かれた情報は、閉道より前のものである可能性が高いと考えてください。

伊豆ヶ岳のように名前の通った山ほど、この時間差が起きます。検索して上位に出る記事が数年前に書かれたもので、その後に登山道の状況が変わっているという構図です。日付の入っていない登山情報は、いつの話なのかを疑ってかかるほうが安全です。

では現在はどの道を通りますか?

男坂と女坂の中間にある道を通ります。埼玉県の案内では、これが現在のルートとして示されています。鎖場を登らずに山頂へ上がれる道です。

伊豆ヶ岳を計画するときは、この中間の道を前提に考えてください。男坂の鎖場を目的に来ると、県の推奨と違う行動を選ぶことになります。中間の道であれば、標高851mの低山として無理のない行程に収まります。

  • 男坂:鎖場。県は関東ふれあいの道のルートではないとしている
  • 女坂:土砂崩れのため閉道
  • 中間の道:現在のルート。鎖場を通らずに山頂へ上がれる

伊豆ヶ岳のコースはどれくらいの規模ですか?

関東ふれあいの道の「伊豆ヶ岳を越えるみち」は14.5km、所要4時間30分です。埼玉県はこのコースを健脚向きと位置づけています。起点は西武鉄道の吾野駅、終点は正丸駅です。

夏の岩尾根の連なり
項目内容
コース名関東ふれあいの道 コース3「伊豆ヶ岳を越えるみち」
距離14.5km
所要時間4時間30分
難易度の区分健脚向き
起点・終点吾野駅〜正丸駅(西武鉄道)

標高851mという数字だけを見ると軽く感じますが、14.5kmを歩き通す行程です。伊豆ヶ岳の山頂を踏むだけなら正丸駅からの往復で短く収められるので、体力に合わせて範囲を決めてください。コースの詳細は埼玉県の「伊豆ヶ岳を越えるみち」の案内で公開されています。

正丸峠の通行状況はどうですか?

注意が呼びかけられています。埼玉県は正丸峠付近について、土砂崩れや倒木の恐れがあるため十分注意して通行するようにと案内しています。通行止めではないものの、状態が安定しているわけではありません。

樹林に覆われた山の斜面

奥武蔵の山は台風や大雨のあとに登山道の状況が変わります。伊豆ヶ岳に限らず、この山域では出発前に最新の情報を確認する習慣を持っておくほうが安全です。近くの棒ノ折山や日和田山も同じ条件にあります。

伊豆ヶ岳はどれくらいきついですか?

低山としては歩きごたえがあります。標高851mは奥武蔵では高いほうで、アップダウンが続く尾根を歩きます。県が全長コースを健脚向きとしているのは、この積み重ねが理由です。

岩の上から見下ろす樹林の谷

区切って歩けば負担は下がります。正丸駅から伊豆ヶ岳を往復する形なら半日で収まり、駅まで電車で入れるため車の回収も不要です。逆に子ノ権現まで足を伸ばすと一日仕事になり、日没の早い季節は時間に追われます。

  • 正丸駅から伊豆ヶ岳を往復:半日程度。電車利用で完結する
  • 吾野駅〜正丸駅の全線:14.5km・4時間30分。健脚向き
  • 子ノ権現まで伸ばす:行動時間が長くなり、日没が早い時期は余裕が必要
  • 鎖場は通らない前提で計画する

伊豆ヶ岳を「鎖場のある山」として記憶している人にとっては、拍子抜けする内容かもしれません。ただし現在の道を歩いても、尾根の登り下りと距離はそのまま残ります。難所がなくなったのではなく、危険な近道が推奨されなくなったというだけです。

伊豆ヶ岳へはどう行きますか?

西武秩父線の正丸駅が最寄りです。駅から歩き始められるため、マイカーを使わずに完結します。終点側の吾野駅も同じ西武秩父線にあるので、全線を歩いても電車で戻れます。

正丸駅は無人駅に近い規模の小さな駅です。売店で買い足すという前提は持たず、水と行動食は乗車前にそろえておいてください。下山後に何か食べる場所を探す場合も、駅の周囲ではなく飯能方面まで戻ることになります。

この点は奥武蔵の山の大きな利点です。登山口まで電車で入れて、下山口が変わっても路線でつながっています。車で来ると出発点に戻る必要が出るため、伊豆ヶ岳を通しで歩くなら電車のほうが行程を組みやすくなります。

いつ登るのが良い時期ですか?

奥武蔵の紅葉は11月中旬から下旬です。標高851mの伊豆ヶ岳でも、色づきはこの時期に入ります。夏は樹林帯で風が通りにくく、標高の割に暑さを感じるため、秋から春のほうが歩きやすい山です。

春先は落ち葉と雪解けで路面が緩む時期があります。土がぬかるむと下りで滑るため、靴底の溝が残っているものを選んでください。

ただし冬は日が短くなります。全長14.5kmを歩く計画なら、行動時間が確保できる時期を選んでください。半日で区切る往復であれば、冬でも余裕を持って歩けます。

よくある質問|伊豆ヶ岳

伊豆ヶ岳の標高は何mですか?

851mです。埼玉県飯能市にあり、西武秩父線の正丸駅からアクセスできます。

男坂は登れますか?

埼玉県は男坂を関東ふれあいの道のルートではないとしており、滑落と落石の危険がある非常に危ないルートだと案内しています。

女坂は通れますか?

土砂崩れのため閉道しています。現在は男坂と女坂の中間にある道が通行路になります。

コースはどれくらいの距離ですか?

関東ふれあいの道「伊豆ヶ岳を越えるみち」は14.5km、所要4時間30分で、県は健脚向きとしています。

初心者でも大丈夫ですか?

鎖場を通らない中間の道を使い、正丸駅からの往復に区切れば負担は下がります。全長14.5kmを通しで歩くのは、日帰り登山に慣れてからのほうが安心です。

まとめ|伊豆ヶ岳のルートを決める3ステップ

伊豆ヶ岳は、情報の新しさがそのまま安全につながる山です。名前の知られた鎖場に引きずられないでください。

  1. 現在の通行路を確認する。男坂は県の推奨ルートではなく、女坂は閉道している
  2. 歩く範囲を決める。正丸駅からの往復なら半日、吾野駅からの全線なら14.5km・4時間30分の健脚向き
  3. 出発前に最新情報を見る。正丸峠付近は土砂崩れと倒木への注意が呼びかけられている

ここに書いたルートの状況は、埼玉県が公開している関東ふれあいの道の案内を私が読んで確認したものです。登山道の状態は大雨のたびに変わるため、直前にもう一度当たってください。

奥武蔵の他の山と組み合わせる場合は奥武蔵の日帰り登山ガイドが参考になります。10月に関東で登る山を探しているなら10月の関東登山の記事、低山から段階を上げたい場合は高尾山の次に登る山の記事にまとめています。

画像出典

掲載写真はUnsplashによるものです。撮影はGaurav Kumar、Adrien Olichon、Azimbek Assarov、Yura Lytkin、Wojciech Wyszkowskiの各氏。伊豆ヶ岳そのものを撮影したものではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました