大山寺で検索すると、神奈川の寺と鳥取の寺が混ざって出てきます。
どちらも実在します。名前が同じで、どちらも山の中腹にあり、どちらも千年以上の歴史を持っています。ただし宗派も開山も別です。この記事では2つの大山寺を公式サイトの記載にもとづいて並べ、どちらの話をしているのかを見分けられるようにします。
この記事でわかること
- 大山寺が神奈川県伊勢原市と鳥取県大山町の2か所にあること
- 丹沢側は真言密教、伯耆側は天台宗別格本山であること
- 開山は伯耆側が養老年間、丹沢側が755年であること
- 伯耆側の宝物館は12月から3月まで休館すること
- 丹沢側の本尊は毎月8・18・28日がご開帳日であること

大山寺は2つあるのですか?
あります。読み方も所在地も違います。
| 項目 | 丹沢(神奈川) | 伯耆(鳥取) |
|---|---|---|
| 正式名称 | 雨降山 大山寺 | 角磐山 大山寺 |
| 所在地 | 神奈川県伊勢原市大山724 | 鳥取県西伯郡大山町大山9 |
| 宗派 | 真言密教 | 天台宗別格本山 |
| 開山 | 天平勝宝七年(755年) | 奈良時代 養老年間 |
| 開山した人物 | 良弁僧正 | 金蓮上人 |
混同が起きるのは、どちらも「大山」という山の名前を冠しているからです。神奈川の大山は丹沢の一角で、鳥取の大山は中国地方最高峰です。
読み方も違います。丹沢側の公式サイトのドメインは oyamadera.jp、伯耆側は daisenji.jp です。文字にすると同じ「大山寺」でも、口に出すと別の名前になります。
宗派の違いが最も大きな差です。丹沢側は公式サイトに真言密教に属すると記載されており、伯耆側は公式サイトに天台宗別格本山と明記されています。
私が調べていて意外だったのは、開山の順序が想像と逆だった点です。伯耆側の養老年間は717年から724年にあたりますから、755年の丹沢側より30年以上早いことになります。
丹沢の大山寺はどんな寺ですか?
天平勝宝七年(755年)に良弁僧正が開山したとされています。
特徴的なのは江戸時代の位置づけです。公式サイトによると、江戸時代は高野山を本山とする触頭寺院でした。関東の寺でありながら、紀伊の高野山と制度上つながっていたことになります。
高野山側の成り立ちは高野山観光の拝観料は?共通内拝券と回る順番で扱っています。真言密教の総本山と、丹沢の中腹にある寺が制度でつながっていたという関係です。
触頭というのは、幕府と各寺のあいだを取り次ぐ役目を担った寺のことです。丹沢の大山寺が関東でその位置にあったということは、参詣の受け入れだけでなく、制度上の窓口としても機能していたことになります。
本尊は大山不動像です。公式の説明によると、文永11年(1264年)に願行上人が58歳のときに鋳造しました。昭和3年に国宝に指定され、戦後に国の重要文化財として再指定されています。
拝観の機会は限られています。毎月8日・18日・28日がご開帳日と公式に記載されています。日を選ばずに訪ねると、本尊を見られないことになります。

丹沢の大山寺の境内には何がありますか?
公式の境内案内には7つが挙げられています。
境内の主な建物
- 本堂|明治18年の再建
- 宝篋印塔|寛政7年(1795年)建立、大正3年に現在地へ再建
- 鐘楼
- 大師堂|明治40年の建立
- 前不動堂
- 倶利伽羅堂|大山最古の堂
- 十一面観音
注目したいのは倶利伽羅堂です。大山最古の堂と公式に説明されています。本堂が明治18年の再建であるのに対し、こちらが最も古いという構成になります。
年代を見ると再建の歴史がわかります。本堂が明治18年、大師堂が明治40年ですから、現在の主要な建物は明治期に整えられたものです。
アクセスは大山ケーブルを使います。大山ケーブル駅から大山寺駅まで3分、駅から徒歩200mです。ケーブルカーの使い方は大山のケーブルカーは使う?コース別の所要時間にまとめています。
登山と組み合わせる場合の全体像は大山(丹沢)の難易度は?小田急線で行く日帰りを参照してください。伊勢原駅からバスで約25分の位置にあります。
伯耆の大山寺はどんな寺ですか?
奈良時代の養老年間に金蓮上人が開山したとされています。公式サイトには約1,300年前という表現が使われています。
参拝時間は午前9時から午後4時までです。ただし季節により変更があるとされ、この時間が示されているのは4月1日から11月30日の期間です。
宝物館の霊宝閣には明確な区切りがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開期間 | 4月1日〜11月30日 |
| 休館 | 12月1日〜3月31日 |
| 拝観料 | 大人300円・小人200円 |
12月から3月までの4か月間は宝物館が閉まります。冬に訪ねても文化財を見ることはできません。大山は積雪の多い山ですから、雪の期間がそのまま休館期間になっています。
重要文化財として阿弥陀堂及び弥陀三尊があります。山内寺院は十ヶ院と記載されています。
山内寺院十ヶ院という規模は、この寺が単独の建物ではなく寺院群として成り立っていることを示します。参拝の対象がひとつではないため、どこまで回るかで所要時間が変わります。
本堂は昭和26年の再建です。昭和期に3度の火災に見舞われたあとに建て直されたものと説明されています。
この点は丹沢側と対照的です。丹沢の本堂が明治18年の再建であるのに対し、伯耆の本堂は昭和26年ですから約66年新しいことになります。どちらも創建当時の建物ではなく、火災や時代を経て建て直されたものです。
伯耆大山の登山側は伯耆大山は日帰りできる?中国地方最高峰のコースで扱っています。

どちらを訪ねるか、何で決めればいいですか?
季節と目的で決まります。2つの寺は開いている期間が違うためです。
| 条件 | 丹沢(神奈川) | 伯耆(鳥取) |
|---|---|---|
| 冬の文化財拝観 | 本尊は8・18・28日のご開帳 | 宝物館は12〜3月休館 |
| アクセス | 伊勢原駅からバス約25分+ケーブル3分 | 大山町 |
| 最古の建物 | 倶利伽羅堂 | 本堂は昭和26年再建 |
冬に文化財を見たいなら丹沢側です。伯耆側は宝物館が閉まりますが、丹沢側の本尊は月に3回のご開帳日が通年で設定されています。
逆に丹沢側も日にちの制約があります。8のつく日に合わせられないなら、本尊は拝めません。どちらも「いつでも見られる」わけではないという点は共通しています。
紅葉の時期は丹沢側が混みます。見頃と混雑の避け方は大山の紅葉はいつ見頃?電車で行く混雑回避のコツにまとめています。
年中行事はいつありますか?
丹沢の大山寺には、公式サイトに5つの行事が掲載されています。
| 行事 | 日程 |
|---|---|
| 五壇護摩修行 | 2月28日 |
| 大般若転読会 | 5月第3日曜日 |
| 大山の迎え火 | 8月11日 |
| 大山の星まつり | 12月21〜22日 |
| 除夜の鐘 | 12月31日〜1月1日 |
日付を見ると分散しています。2月、5月、8月、12月と、季節ごとに行事が置かれている形です。
2月28日の五壇護摩修行は、ご開帳日の28日と重なります。行事と本尊の拝観を同じ日にまとめられる組み合わせになります。
8月11日の大山の迎え火は夏の行事です。登山の時期と重なりますから、山を歩く予定と合わせやすい日程になります。
私が行程を組むなら、まず8のつく日を確認します。大山寺の丹沢側は日にちで見られるものが変わるため、そこを起点にしたほうが計画が立てやすくなります。
よくある質問|大山寺
大山寺は神奈川と鳥取のどちらですか?
両方にあります。神奈川県伊勢原市の雨降山大山寺と、鳥取県大山町の角磐山大山寺です。
2つの大山寺は宗派が同じですか?
違います。丹沢側は真言密教、伯耆側は天台宗別格本山です。
どちらが古いですか?
伯耆側です。養老年間(717年から724年)の開山とされ、丹沢側の天平勝宝七年(755年)より早くなります。
丹沢の大山寺の本尊はいつ見られますか?
毎月8日・18日・28日がご開帳日と公式に記載されています。
伯耆の大山寺の拝観料はいくらですか?
宝物館の霊宝閣が大人300円・小人200円です。公開期間は4月1日から11月30日までになります。
伯耆の大山寺は冬も参拝できますか?
参拝時間が示されているのは4月1日から11月30日で、宝物館は12月1日から3月31日まで休館します。
まとめ|大山寺を訪ねる前に決める3つのこと
大山寺へ行くなら、次の順で決めると迷いません。
- どちらの大山寺かを決める。丹沢は真言密教で755年開山、伯耆は天台宗別格本山で養老年間の開山
- 訪ねる時期を決める。伯耆の宝物館は12月1日から3月31日まで休館し、丹沢の本尊は毎月8・18・28日がご開帳
- 行き方を決める。丹沢は伊勢原駅からバス約25分と大山ケーブルで3分、駅から徒歩200m
同じ名前でも別の寺です。検索して出てきた情報がどちらのものかを確かめてから予定を組めば、現地で食い違うことはありません。


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