紅葉を見に行くのに、山を登る必要がない路線があります。京都の出町柳から北へ延びる叡山電車は、車窓そのものが紅葉の名所になっている珍しい鉄道です。
この記事では叡山電車の紅葉が見頃を迎える時期、もみじのトンネルの正しい見方、鞍馬と貴船をどう組み合わせるかを、公式情報と実査データで整理します。
▶ 関連動画「その週末、バス待ちは最大60分です【上高地の紅葉】」を公開しています。あわせてご覧ください。
この記事でわかること
- 叡山電車の紅葉が見頃を迎える時期
- もみじのトンネルがどこにあり、何が起きる区間なのか
- 出町柳から鞍馬・貴船口までの運賃と所要時間
- 鞍馬と貴船のどちらで降りるべきかの判断基準
- 紅葉シーズンに叡山電車で失敗しやすい点

叡山電車の紅葉はいつが見頃?
叡山電車の紅葉の見頃は11月上旬から下旬です。沿線の色づきは11月上旬に始まり、中旬にピークを迎えます。
京都の紅葉というと市街地の寺院を思い浮かべますが、叡山電車が走る洛北は市街地より標高が高く、色づきが早く進みます。編集部で確認したところ、貴船口駅の標高は206m、鞍馬駅は241mでした。京都駅周辺が20m前後なので、200m以上の差があります。
この標高差が、市街地の寺院より一足先に紅葉が見られる理由です。11月上旬に京都へ行くなら、市街地よりも叡山電車の沿線のほうが色づいています。
もみじのトンネルとは何ですか?
もみじのトンネルは、鞍馬線の市原駅と二ノ瀬駅の間にある約250mの区間です。線路の両側にイロハモミジとオオモミジがおよそ280本並び、頭上で枝が交差して文字どおりトンネル状になっています。
この区間では、紅葉シーズンに列車が車内の照明を落として徐行します。窓の外だけが明るくなり、頭上を流れる紅葉が見える仕組みです。座って見られるので、歩く体力は一切要りません。
叡山電車には展望列車「きらら」があり、大きな窓と外向きの座席が備わっています。時間帯によってこの車両が入るため、叡山電車の紅葉を目的にするなら、きららの運行時刻を先に調べておくと満足度が変わります。
ライトアップの時期
秋のライトアップは、貴船で開かれる「貴船もみじ灯篭」の期間に合わせて実施されます。例年11月上旬から下旬にかけての開催で、もみじのトンネル区間のほか、二ノ瀬駅と貴船口駅が照らされます。
開催日は年によって変わります。夜の便を狙うなら、出発前に叡山電車公式のもみじのトンネル案内で当年の日程を確認してください。

出町柳からの運賃と所要時間
叡山電車は出町柳駅が起点です。京阪電車で三条や祇園四条から乗り継げるため、京都観光の途中に組み込めます。
| 行き先 | 所要時間 | 大人片道運賃 |
|---|---|---|
| 市原(もみじのトンネル手前) | 約18分 | − |
| 二ノ瀬(もみじのトンネル直後) | 約22分 | − |
| 貴船口(貴船神社の最寄り) | 約28分 | 470円 |
| 鞍馬(終点・鞍馬寺の最寄り) | 約31分 | 470円 |
| 八瀬比叡山口(比叡山側) | 約14分 | − |
出町柳から終点の鞍馬まで31分、片道470円です。往復するだけなら940円で収まります。
1日に複数回乗り降りするなら企画乗車券のほうが安くなります。叡山電車全線が乗り放題の「えぇきっぷ」が1,200円、京阪電車の三条〜出町柳間と京都市営地下鉄全線まで含む「地下鉄&えいでん 鞍馬・貴船日帰りきっぷ」が2,100円です。
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鞍馬線の紅葉は終点付近に見どころが分かれます。降りる駅を決めておかないと、現地で歩く距離が想定と大きくずれます。
鞍馬駅で降りる場合
編集部で鞍馬駅から鞍馬寺の仁王門までを確認したところ、距離227m・徒歩約4分・標高差15mでした。駅を出てすぐが門前です。
ただし仁王門から本殿金堂までは山道が続きます。鞍馬山ケーブルを使えば途中まで上がれます。愛山費が500円、ケーブルの寄進は大人200円です。歩く体力に不安があるなら、鞍馬寺公式の交通案内で経路を確認してから行程を組んでください。
貴船口駅で降りる場合
貴船口駅から貴船神社までは距離2,048m・徒歩約33分・標高差108mです。標高206mの駅から314mまで、緩やかに登り続ける道になります。
この区間には京都バス33系統が走っており、運賃200円、乗車時間5分ほどで貴船に着きます。33分の登りを歩くか5分のバスに乗るかで、その日の脚の残り方がまったく違います。叡山電車の紅葉を見に行く日は、往路をバス、復路を徒歩にすると景色も体力も両立します。

紅葉シーズンに失敗しやすい点
叡山電車は2両編成が基本の小さな路線です。紅葉のピークには輸送力に対して人が多くなり、想定していた乗り方ができなくなります。
- もみじのトンネルで座れない。立っていると窓の外が見えにくい。出町柳から乗って進行方向左側の窓側を確保する
- きららに当たらない。全便が展望列車ではない。時刻表で車両を確認してから駅へ向かう
- 貴船口で待たされる。京都バス33系統は紅葉期に行列ができる。歩く選択肢を残しておく
- 日没が早い。11月の京都の日没は17時前。鞍馬寺の山道を含む予定なら午前中に着いておく
私が人にすすめるのは、朝いちばんに出町柳を出る組み方です。もみじのトンネルは午前の斜光で葉が透けて見え、車内も空いています。
比叡山側との違いはどこですか?
叡山電車には鞍馬線のほかに叡山本線があり、こちらは八瀬比叡山口が終点です。比叡山へ上がるケーブルとロープウェイに接続しています。
鞍馬線の紅葉が「車窓と参道」なのに対し、比叡山側は「山上から見下ろす紅葉」です。同じ叡山電車でも見えるものが違います。比叡山側の見頃と回り方は比叡山の紅葉の記事に、ケーブルの選び方は比叡山のケーブルカーの記事にまとめています。
延暦寺まで足を延ばすなら、境内は3エリアに分かれていて移動に時間がかかります。回り方は延暦寺の歩き方の記事を先に読んでおいてください。

沿線で降りる価値のある駅はどこ?
終点まで行かずに途中で降りるという使い方もあります。叡山電車の紅葉は沿線の寺社と組み合わせると1日の密度が上がります。
八瀬比叡山口駅|瑠璃光院
叡山本線の終点で、出町柳から約14分です。駅から徒歩13分ほどの瑠璃光院は、机に映り込む紅葉で知られています。
2026年の秋の特別拝観は10月1日から12月13日までで、拝観料は2,000円、拝観時間は10時から17時(受付終了16時30分)です。紅葉のピーク時は事前予約が必要になるため、当日思いつきで行くと入れません。
一乗寺駅|詩仙堂と圓光寺
出町柳から3駅目です。詩仙堂と圓光寺が徒歩圏に並び、庭園の紅葉を続けて見られます。もみじのトンネルまで行く時間がない日でも、ここだけで紅葉は成立します。
鞍馬線に入る前の駅なので、鞍馬・貴船へ向かう行程の帰り道に組み込みやすい位置にあります。ただし紅葉期の各庭園は拝観の待ち時間が出るため、1日に詰め込みすぎないでください。
服装と持ち物
11月の洛北は、京都市街より2度前後低くなります。貴船の川沿いは日が入りにくく、体感はさらに下がります。
- 薄手のダウンかフリース。日陰の待ち時間で効く
- 歩きやすい靴。鞍馬寺の山道を含むならスニーカーではなくトレッキングシューズ
- 交通系ICカード。叡山電車・京都バスの両方で使える
- 小型のライト。夕方の参道は早く暗くなる
- 折りたたみ傘。洛北は市街地より雨が降りやすい
車窓だけを楽しむなら普段着で問題ありません。鞍馬寺の本殿まで登る予定を入れるなら、山を歩く前提の靴に替えてください。

よくある質問|叡山電車の紅葉
もみじのトンネルは何駅と何駅の間ですか?
鞍馬線の市原駅と二ノ瀬駅の間です。約250mの区間におよそ280本のモミジが並びます。出町柳から市原まで約18分、二ノ瀬まで約22分です。
叡山電車の紅葉は何日ごろが一番いいですか?
11月中旬です。上旬は色づき始め、下旬は散り始めます。ライトアップの開催期間とも重なりやすい時期にあたります。
きららに必ず乗れますか?
乗れません。きららは全便ではないため、時刻表で運行時間を確認してから駅へ向かってください。通常車両でももみじのトンネルの徐行は同じです。
鞍馬と貴船を1日で両方回れますか?
回れます。鞍馬寺の境内を抜けて貴船へ下る山道がありますが、標高差があり所要も長くなります。歩く自信がなければ、鞍馬駅と貴船口駅を電車で移動してください。
紅葉の時期は混みますか?
混みます。11月中旬の土日は出町柳駅で乗車待ちの列ができます。座って車窓を見たいなら、始発に近い時間帯を選んでください。
まとめ|叡山電車で紅葉を見る3ステップ
- 11月中旬を狙う。もみじのトンネルの色づきがピークで、洛北全体が見頃に入る
- 朝いちばんに出町柳を出る。座席が確保でき、斜光で葉が透ける時間帯に当たる
- 降りる駅を先に決める。鞍馬は駅から門前まで227m、貴船口は神社まで2,048m。歩ける距離で選ぶ
叡山電車の紅葉は、乗っているだけで見られる点に価値があります。脚力を使わずに紅葉を見たい人向けの選択肢です。ほかの候補と比べるなら紅葉の名所をまとめた記事とロープウェイで行く紅葉の山、関西のもう一つの選択肢としては六甲山の紅葉の記事も参照してください。


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