この記事でわかること
- オベリスクは地蔵ヶ岳の頂に立つ高さ18mの岩柱
- 鳳凰山は地蔵ヶ岳2,764m・観音岳2,840.4m・薬師岳2,780mの総称
- 最高峰は観音岳で、オベリスクのある地蔵ヶ岳ではない
- 青木鉱泉1,107mから観音岳までの標高差は約1,733m
- 登山口は青木鉱泉・御座石・夜叉神峠の3か所
鳳凰山の写真で必ず目に入るのが、頂に立つ細長い岩の柱です。オベリスクと呼ばれ、遠くからでもこの山を見分ける目印になっています。ただしオベリスクがあるのは最高峰ではありません。この記事ではオベリスクの正体と、3つの峰の関係を整理します。

オベリスクは高さ18mの岩柱
オベリスクは地蔵ヶ岳の頂上にある大岩柱で、高さは18mです(韮崎市観光協会の鳳凰三山の案内)。
18mというのは、建物でいえば6階建てに相当します。稜線の上にこの高さの岩が突き立っているため、麓の甲府盆地からでも位置が分かります。
名前の由来は、古代エジプトの記念柱に形が似ていることにあります。日本の山にある岩に、この呼び名が定着している点も珍しい部分です。地元では「地蔵仏」という呼び方も残っており、頂の名前が地蔵ヶ岳であることと結びついています。
この岩は古くから信仰の対象でした。基部にはいくつもの石仏が並び、麓から運び上げられた地蔵が置かれています。オベリスクという西洋由来の呼び名と、地蔵という日本の信仰が同じ場所で重なっている点が、この頂の性格をよく表しています。
3つの峰と標高
鳳凰山は単独の頂ではなく、3つの峰の総称です。鳳凰三山とも呼ばれます。
| 峰 | 標高 | 特徴 |
|---|---|---|
| 観音岳 | 2,840.4m | 3座の最高峰 |
| 薬師岳 | 2,780m | 夜叉神峠側から最初に着く頂 |
| 地蔵ヶ岳 | 2,764m | オベリスクが立つ頂 |
注目したいのは、オベリスクのある地蔵ヶ岳が3座で最も低いことです。写真の主役と最高峰が一致していません。
「鳳凰山に登った」と言うとき、観音岳まで踏んだのか、地蔵ヶ岳のオベリスクを見て戻ったのかで内容が変わります。
オベリスクの基部までは登れる
地蔵ヶ岳の頂に着くと、オベリスクの基部まで近づけます。白い花崗岩の砂礫を登り、岩の根元に立つところまでが一般的な行程です。
ただし18mの岩柱そのものを登り切るには、岩登りの技術が要ります。一般の登山者が目指すのは基部であって、頂点ではありません。
この区別を知らずに「オベリスクに登る」と表現すると、話がかみ合わなくなります。基部に立つことと、岩柱の上に立つことは別の行為です。

白い砂礫の稜線
鳳凰山の稜線は花崗岩が風化した白い砂に覆われています。樹林を抜けた先に、明るい色の地面が続く景色が広がります。
この地質がオベリスクを残しました。周囲の岩がもろく崩れていくなかで、硬い部分だけが柱として残った形です。
歩くうえでは、白い砂は滑りやすい地面でもあります。とくに下りでは足を取られやすく、見た目の穏やかさと歩きやすさは一致しません。
- 花崗岩が風化した白い砂礫の稜線
- オベリスクは硬い部分が残ってできた
- 砂は滑りやすく、下りで足を取られる
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青木鉱泉を起点にする場合、登りと下りで別の道を使う周回が一般的です。ドンドコ沢コースと中道コースの2本があります。
ドンドコ沢は沢沿いをたどる道で、途中に複数の滝が現れます。景色に変化があり、登りに使われることが多い道です。
中道コースは樹林帯の尾根をひたすら登る道で、展望はほとんどありません。単調な代わりに道が分かりやすく、下りに割り当てられます。
- ドンドコ沢:滝が続き、登りに使われる
- 中道:樹林の尾根で展望に乏しく、下りに向く
- 青木鉱泉を起点に周回で組むのが基本形
どちらも標高差は変わりません。変わるのは道の性格と、疲れたときの歩きやすさです。
3つの登山口と駐車場
登山口は青木鉱泉、御座石、夜叉神峠の3か所です。それぞれ駐車場の規模とアクセスが違います(韮崎市観光協会の案内)。
| 登山口 | 駐車 | アクセス |
|---|---|---|
| 中道・ドンドコ沢(青木鉱泉) | 約100台・1日800円 | 韮崎ICから約50分 |
| 御座石(燕頭山コース) | 約80台 | 韮崎ICから約55分 |
| 夜叉神峠 | 南アルプス市営芦安駐車場 | 芦安から入る |
編集部で標高データを照合したところ、青木鉱泉が1,107m、夜叉神峠の登山口が1,373mでした。夜叉神峠側のほうが約266m高い位置から歩き始められます。
標高差1,700mという行程
青木鉱泉1,107mから最高峰の観音岳2,840mまでは、標高差が約1,733mあります。日帰りの標準コースタイムは約12時間、距離は15km前後です。
この数字は、一般的な日帰り登山の範囲を超えています。鳳凰小屋やテント泊を挟んで2日で歩く行程が現実的です。
私も標高差が1,500mを超える山では、日帰りにこだわらないようにしています。行動時間が12時間に届く計画は、天候が崩れたときの余地がありません。
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夜叉神峠から3座をつなぐ
夜叉神峠を起点にすると、薬師岳、観音岳、地蔵ヶ岳の順に南から北へ3座をつないでいけます。編集部の照合では登山口の標高が1,373mでした。
青木鉱泉より約266m高い位置から歩き始められるうえ、稜線に出てからは3つの峰を順に越える形になります。オベリスクは行程の最後に現れます。
この向きの利点は、歩きながら目標が近づいてくることです。薬師岳の頂に立った時点で観音岳が見え、観音岳からは地蔵ヶ岳のオベリスクが視界に入ります。
- 夜叉神峠登山口:標高1,373m(編集部実測)
- 青木鉱泉1,107mより約266m高い
- 薬師岳→観音岳→地蔵ヶ岳の順に3座を越える
南アルプス北部のほかの山
鳳凰山は南アルプスの北部にあり、周囲には標高3,000mを超える山が並びます。
北岳は日本第2位の標高3,193m、甲斐駒ヶ岳は花崗岩の白い山容で知られます。鳳凰山からはこれらの峰を横から眺める形になります。
標高では劣る鳳凰山が人を集めるのは、オベリスクという分かりやすい目標があるからです。数字ではなく形で記憶される山だと言えます。
稜線からの展望も、この山を選ぶ理由になります。北岳や甲斐駒ヶ岳を正面から見渡せるうえ、天気がよければ富士山まで視界に入ります。3,000m級の山の中に立つのではなく、少し離れた高さから全体を眺める位置にあるためです。
白砂と樹林で気温が変わる
鳳凰山は樹林帯の登りが長く、稜線に出てから景色が一変します。この切り替わりは気温の面でも起きます。
青木鉱泉1,107mと観音岳2,840mでは、高度差1,733mぶんの開きがあります。樹林の中は風がなく汗をかきますが、白砂の稜線に出ると遮るものがなくなります。
稜線に出る手前で上着を出しておくと、この切り替わりに対応できます。標高2,800m台は、夏でも朝夕に一桁の気温になる高さです。
- 樹林帯は風がなく汗をかく
- 稜線は遮るものがなく風を受ける
- 2,800m台は夏の朝夕でも一桁の気温になる
よくある質問|鳳凰山のオベリスク
オベリスクの高さは何メートルですか?
18mです。地蔵ヶ岳の頂上に立つ大岩柱になります。
オベリスクはどの峰にありますか?
地蔵ヶ岳です。標高2,764mで、鳳凰三山では最も低い峰になります。
鳳凰山の最高峰はどこですか?
観音岳の2,840.4mです。オベリスクのある地蔵ヶ岳より76mほど高くなります。
オベリスクの上まで登れますか?
一般の登山者が立てるのは基部までです。18mの岩柱を登り切るには岩登りの技術が要ります。
鳳凰山の登山口はどこですか?
青木鉱泉、御座石、夜叉神峠の3か所です。青木鉱泉の駐車場は約100台・1日800円になります。
日帰りできますか?
標準コースタイムで約12時間、標高差は約1,733mです。小屋泊かテント泊を挟む行程が現実的になります。
ドンドコ沢と中道はどちらを登りに使いますか?
ドンドコ沢を登り、中道を下る周回が一般的です。ドンドコ沢は滝が続き、中道は樹林の尾根になります。
夜叉神峠からの登山口は何メートルですか?
編集部の照合では1,373mでした。青木鉱泉より約266m高い位置になります。
なぜオベリスクだけが残っているのですか?
花崗岩が風化して砂になるなかで、硬い部分だけが柱として残ったためです。
まとめ|オベリスクを見に行く手順
鳳凰山は、最高峰と写真の主役が違う山です。
- オベリスクは地蔵ヶ岳2,764mの頂にある18mの岩柱と押さえる
- 最高峰の観音岳2,840.4mまで足を延ばすかを決める
- 標高差1,733mを日帰りにせず、小屋泊で組み立てる
目的が3座の縦走かオベリスクかで、必要な日数が変わります。写真の印象だけで日程を決めず、どの頂に立ちたいのかを先に決めてください。


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