この記事でわかること
- 箱根山という単独の頂はなく、火山全体を指す名前
- 最高峰は中央火口丘の神山1,438m
- 外輪山に囲まれたカルデラの中に芦ノ湖と温泉街がある
- 噴火警戒レベルは1で、大涌谷周辺では噴気活動が続く
- 登山の対象になるのは外輪山側の峰
箱根山を検索すると、火山の情報と観光の情報が並んで出てきます。ところが地図で「箱根山」という頂を探しても見当たりません。箱根山は火山全体につけられた名前で、特定の峰を指していないためです。この記事では箱根山という呼び名が何を指すのか、どの峰が登山の対象になるのかを整理します。

箱根山は火山の名前
箱根山は神奈川県の南西部にある活火山です。気象庁が観測対象としている火山名であり、登山地図に載る山名ではありません。
この火山は外輪山とカルデラ、そしてカルデラの中にできた中央火口丘という構造を持ちます。芦ノ湖も温泉街も、このカルデラの内側に収まっています。
つまり「箱根山に行く」と言ったとき、多くの場合は箱根という地域全体を指しています。山に登る話なのか、観光の話なのかで意味が変わります。
この曖昧さは検索結果にも表れます。宿の情報、ロープウェイの運行、火山の観測データ、外輪山の登山道が同じ言葉で並ぶため、目的に合う情報を選び分ける必要があります。自分が知りたいのは火山活動なのか、歩く道なのかを先に決めておくと、読む記事が絞れます。
最高峰は神山1,438m
箱根山の最高地点は、中央火口丘の神山で標高1,438mです。カルデラの中央に位置し、周囲を外輪山が囲む形になっています。
| 地形 | 内容 |
|---|---|
| 外輪山 | カルデラを取り囲む峰の連なり |
| カルデラ | 芦ノ湖と温泉街を含む盆地 |
| 中央火口丘 | 神山1,438mなど、カルデラ内にできた山 |
| 大涌谷 | 中央火口丘の斜面にある噴気地帯 |
神山が最高峰である一方、登山でよく歩かれるのは外輪山側です。金時山や明神ヶ岳といった峰が、この外輪山にあたります。
外輪山の代表的な峰である金時山については金時山の登山口にまとめています。
大涌谷は中央火口丘の斜面
大涌谷は神山の北側斜面にある噴気地帯です。地面から白い蒸気が上がり続け、硫黄のにおいが漂います。
この場所が箱根山の火山活動を最も直接に見られる地点になります。観光地として整備されていますが、足元では今も火山ガスが噴出しています。
大涌谷を通るロープウェイからの眺めは箱根から富士山は見える?にまとめています。

レベル1でも続く火山ガスへの注意
箱根山の噴火警戒レベルは1です。令和元年10月7日10時に発表され、現在も継続しています(気象庁の火山活動の状況)。
気象庁は「大涌谷周辺の想定火口域では噴火の可能性は低くなりました」としつつ、「噴気活動が活発なところがありますので、火口や噴気孔周辺では噴気や火山ガスに注意してください」と付け加えています。
レベル1は入山規制が不要な状態を意味しますが、火山ガスへの注意はレベルと別に続きます。とくに窪地では、ガスがたまりやすくなります。
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箱根山では2025年3月26日の火山防災協議会で、噴火警戒レベルの判定基準が改定されました。
レベルが引き上げられた場合の警戒範囲が、想定火口域から700m程度から600m程度へ変更されています。数字が小さくなったのは、観測データの蓄積によって影響範囲がより正確に見積もれるようになったためです。
最新の規制状況は箱根町の噴火警戒レベルの案内で確認できます。過去にはレベルの引き上げに伴い、大涌谷周辺の道路や登山道が規制された経緯があります。
2015年の噴火が残したもの
箱根山では2015年に小規模な噴火が発生し、噴火警戒レベルが3まで引き上げられました。大涌谷への立ち入りが制限され、ロープウェイも運休する事態になりました。
この経験があるため、箱根では観測体制と情報提供が細かく整備されています。神奈川県の温泉地学研究所も独自に観測を続けており、地震活動の推移が公開されています。
私も火山のある山域では、出発前に警戒レベルを確認するようにしています。箱根のように観光地として整備された場所でも、この確認を省いてよい理由にはなりません。
- 2015年の噴火でレベル3・大涌谷が立入制限
- 現在はレベル1だが、観測は継続
- 出発前に気象庁と町の情報を確認する
カルデラの大きさが生む地形
箱根のカルデラは、東西約8km、南北約11kmの規模があります。この内側に温泉街と芦ノ湖が収まり、外輪山がぐるりと取り囲んでいます。
麓から箱根へ入ると、道は峠を越えて一度下ります。この「登ってから下る」動きが、カルデラの縁を越えたことを示しています。地形の構造を知っていると、移動そのものが火山の説明になります。
外輪山の稜線に立てば、この構造が一望できます。眼下に芦ノ湖、その先に中央火口丘の神山、さらに向こうに外輪山の反対側という並びです。
- カルデラは東西約8km・南北約11km
- 内側に芦ノ湖と温泉街
- 外輪山の稜線から全体を見渡せる
温泉が湧く理由も火山にある
箱根が温泉地として知られているのは、この火山活動が続いているためです。大涌谷の噴気は、地下の熱が地表に届いている証拠になります。
温泉と噴気は同じ現象の別の表れです。麓で湯につかることと、大涌谷で火山ガスに注意することは、切り離せない関係にあります。
登山の下山後に温泉へ寄れるのは、この地質があってこそです。火山であることの利点と注意点が、同じ場所に同居しています。
登山として歩くなら外輪山
箱根山を登山の対象として考えるなら、外輪山の峰を歩くことになります。金時山、明神ヶ岳、明星ヶ岳といった峰が連なり、稜線をつなぐ道が整備されています。
外輪山からはカルデラの内側と、その向こうの富士山を同時に見渡せます。火山の構造を外から眺める位置に立てるのが、この山域の特徴です。
中央火口丘の神山周辺は、火山活動の影響を受けやすい区域です。歩ける範囲は時期によって変わるため、外輪山側のほうが計画を立てやすくなります。
箱根の乗り物については駒ヶ岳ロープウェイは2つ?で解説しています。
外輪山の縦走で1日が埋まる
外輪山の峰は独立して登るより、稜線をつないで歩かれることが多くなります。金時山から明神ヶ岳、明星ヶ岳へと続く道は、箱根の代表的な縦走路です。
この稜線は標高1,000m前後を保ったまま続きます。大きな登り下りが少ない代わりに距離が長く、通しで歩けば1日仕事になります。
区間ごとにバス停へ下る道があるため、体力に合わせて途中で切り上げられます。箱根の交通網が細かく整備されている点が、この山域を歩きやすくしています。
- 金時山・明神ヶ岳・明星ヶ岳をつなぐ稜線
- 標高1,000m前後を保ち、大きな上下は少ない
- 区間ごとにバス停へ下れるため途中で切れる
外輪山を歩きながら中央火口丘の噴気を眺める形になるため、火山の全体像が体感として理解できます。
よくある質問|箱根山
箱根山という山はありますか?
単独の頂としてはありません。火山全体につけられた名前で、気象庁の観測対象の火山名になります。
箱根山の最高峰はどこですか?
中央火口丘の神山で、標高1,438mです。
箱根山の噴火警戒レベルはいくつですか?
1です。令和元年10月7日に発表され、現在も継続しています。
大涌谷はどこにありますか?
神山の北側斜面にある噴気地帯です。中央火口丘の一部にあたります。
登山ではどの峰を歩きますか?
外輪山の金時山や明神ヶ岳が中心です。中央火口丘側は火山活動の影響を受けやすくなります。
火山ガスに注意が必要ですか?
必要です。噴火警戒レベルが1でも、火口や噴気孔の周辺では噴気と火山ガスへの注意が呼びかけられています。
箱根のカルデラはどれくらいの大きさですか?
東西約8km、南北約11kmです。この内側に芦ノ湖と温泉街が収まっています。
2015年に何があったのですか?
小規模な噴火が発生し、噴火警戒レベルが3まで引き上げられました。大涌谷への立ち入りが制限されました。
警戒範囲は変わったのですか?
2025年3月26日に判定基準が改定され、想定火口域からの範囲が700m程度から600m程度になりました。
まとめ|箱根山を理解する手順
箱根山は山名ではなく火山名です。この前提を押さえると、情報が整理しやすくなります。
- 箱根山=火山全体、最高峰は中央火口丘の神山1,438mと押さえる
- 登山の対象は外輪山側で、金時山や明神ヶ岳が該当する
- 出発前に気象庁の噴火警戒レベルと箱根町の規制情報を確認する
観光地としての箱根と、活火山としての箱根山を分けて考えてください。同じ名前で語られていても、必要な準備と確認する情報源が違います。


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