八幡平の日帰り温泉は、標高875mから1,400mまでの間に点在しています。同じ「八幡平の温泉」でも、標高が違えば営業期間も受付終了時刻も別物です。標高1,400mの藤七温泉は10月下旬で店じまいし、標高875mの松川温泉は通年で夜19時まで入れます。
この差を知らずに下山後の予定を組むと、山を下りた時点で目当ての湯が閉まっています。この記事では各施設の公表値と、編集部が標高APIと距離APIで実測した数値をもとに、標高順に4か所を整理します。
この記事でわかること
- 八幡平の日帰り温泉4か所の標高・料金・受付時間の一覧
- 営業期間が半年しかない湯と、通年入れる湯の違い
- 受付15時終了の施設に間に合わせるための下山時刻
- 八幡平山頂レストハウスから歩いて行ける湯の実測距離
- 公表値が資料によって食い違う施設と、その確認方法
八幡平の日帰り温泉4か所を標高順に並べる
八幡平は火山であり、湯は山肌のあちこちから噴き出しています。主な日帰り入浴の受け入れ先を標高が高い順に並べると、次のようになります。
| 施設 | 標高 | 大人料金 | 受付時間 | 営業期間 |
|---|---|---|---|---|
| 藤七温泉 彩雲荘 | 1,400m | 600〜700円 | 8:00〜17時台 | 4月下旬〜10月下旬 |
| 蒸ノ湯温泉 ふけの湯 | 1,100m | 700円 | 10:00〜15:00 | 4月下旬〜11月上旬 |
| 後生掛温泉 | 約1,000m | 800円 | 10:30〜15:00 | 通年(火曜休) |
| 松川温泉 峡雲荘 | 875m | 700円 | 8:30〜19:00 | 通年(不定休) |
編集部がGoogle Elevation APIで各施設の座標を測った結果は、藤七温泉1,374m、ふけの湯1,102m、後生掛温泉989m、松川温泉855mでした。ふけの湯は公称1,100mとほぼ完全に一致します。最も高い藤七温泉と最も低い松川温泉の差は、実測で約520mあります。

標高が高いほど営業期間が短くなる
この一覧を縦に見ると、標高と営業期間がきれいに連動しているのが分かります。1,400mの藤七温泉と1,100mのふけの湯は期間営業で、冬は雪に閉ざされます。1,000m前後の後生掛温泉と875mの松川温泉は通年営業です。八幡平アスピーテラインの冬期閉鎖が、高所の宿の営業期間をそのまま決めています。
標高1,400mの藤七温泉は営業期間が半年
藤七温泉彩雲荘は東北で最も高い場所にある温泉として知られます。泉質は単純酸性硫黄泉で、山肌に湯船が段々に並ぶ露天風呂が名物です。
ここで一点、注意が要ります。日帰り入浴の料金と時間は、資料によって値が食い違います。日本秘湯を守る会の施設ページは大人700円・8時00分から17時00分と記載し、岩手県観光協会「いわての旅」は大人600円・8時00分から18時00分と記載しています。どちらも信頼できる出し手であり、改定のタイミングが違うと考えるのが自然です。
実務上は、料金は700円を用意し、時間は早いほうの17時00分終了で計画してください。多いほうの金額と短いほうの時間で組んでおけば、どちらが正しくても破綻しません。

4月から5月と10月下旬は夜間の交通規制がある
八幡平アスピーテラインは、4月から5月と10月下旬にかけて17時00分から翌8時30分まで夜間通行止めになります。藤七温泉は道路沿いに位置するため、この期間は夕方以降にたどり着けません。ゲートが閉まる時刻と湯の受付終了が近いことを踏まえると、この時期は昼過ぎの入浴が現実的な線になります。
ふけの湯と後生掛温泉は受付15時まで
八幡平の日帰り温泉で最も見落とされやすいのが、この2か所の受付終了時刻です。
- 蒸ノ湯温泉ふけの湯:標高1,100m、大人700円、10時00分から15時00分、4月下旬から11月上旬の期間営業(出典は日本秘湯を守る会)
- 後生掛温泉:大人800円、10時30分から15時00分、火曜定休(冬季は火水木が休み)
後生掛温泉は開湯300年を超える一軒宿で、箱蒸し風呂と泥風呂が名物です。公式サイトは後生掛温泉のトップページにあり、日帰り営業の案内は別ページに分かれています。定休日が季節で変わるため、平日に向かうなら電話で確認しておくと確実です。

15時終了に間に合わせるなら13時下山
八幡平の山頂周回は、山頂レストハウスを起点に1時間から1時間30分で歩けます。受付15時00分に間に合わせるには、遅くとも14時00分には登山道を離れる必要があります。移動と着替えを考えれば13時台の下山が安全です。朝に登って昼前後に下り、そのまま湯へ向かう組み立てが噛み合います。
通年入れるのは松川温泉だけ
標高875mの松川温泉峡雲荘は、乳白色の単純硫化水素泉を源泉かけ流しで使っています。日帰り入浴は大人700円、8時30分から19時00分(最終受付18時00分)です。八幡平の主要な湯のなかで、受付が夕方以降まで続くのはここだけです。データは峡雲荘の日帰り入浴ページの公表値によります。
ただし不定期の休館日があります。公式ページは休館予定日を日付単位で掲示しているため、出発前に必ず当日の掲載を見てください。

バスは1日2本しかない
公共交通で松川温泉へ向かう場合、盛岡駅東口3番のりばから岩手県北バスで約110分です。問題は本数で、1日2本(12時12分発と13時42分発)しかありません。朝に山を歩いてから乗る便は事実上ないため、電車とバスで行くなら「温泉に泊まる日」か「温泉だけの日」として組むことになります。バス停は宿の敷地内にあるため、降りてから歩く必要はありません。
山頂レストハウスから歩いて行ける湯
八幡平山頂レストハウスから最も近い湯は藤七温泉です。編集部がGoogle Routes APIで測ったところ、徒歩1,949m・約25分でした。標高はレストハウス側が1,541m、藤七温泉が1,374mで、下り基調の約170mです。
| 区間 | 距離 | 所要時間 | 標高差 |
|---|---|---|---|
| 山頂レストハウス→藤七温泉 | 1,949m | 徒歩約25分 | 約-170m(下り) |
| 山頂レストハウス→ふけの湯 | 直線で約4km | 徒歩は非現実的 | 約-440m |
つまり「歩いて湯に行ける」と言えるのは藤七温泉だけです。ただし歩くのは車道であるアスピーテライン沿いになります。歩道が連続して整備された道ではないため、時間があるなら車かバスの利用が無難です。
ふけの湯と後生掛は車移動が前提
ふけの湯と後生掛温泉は山頂から見て秋田県側へ大きく下った位置にあります。実測の標高差はそれぞれ約440mと約550mで、直線距離でも4km以上離れています。山を歩いた後に徒歩で向かう対象ではありません。
下山後に温泉へ寄る日の組み立て
八幡平を歩いてから湯に入る日は、次の順で決めると破綻しません。
- 入る湯を先に決める:受付終了が15時00分の2か所か、19時00分まで開く松川温泉か
- 下山時刻を逆算する:15時00分終了なら14時00分に登山道を離れ、13時台の下山を目標にする
- 営業期間を確認する:10月下旬以降は藤七温泉が閉まり、選択肢が通年営業の2か所に絞られる
紅葉期は山頂周辺の駐車場も混みます。八幡平の紅葉の進み方と山上の歩き方は八幡平の紅葉をまとめた記事に整理しています。同じ「下山後の湯」の組み立て方は筑波山の日帰り温泉の記事でも扱っており、標高が低い山との違いが分かります。
硫黄泉は金属を変色させる
八幡平の湯の多くは硫黄を含みます。硫黄泉は銀やメッキを黒く変色させるため、指輪や腕時計、ネックレスは湯に持ち込まず、脱衣所で外してください。登山用の金属バックルも湯船に浸けないほうが無難です。夫婦で行く場合、貴金属は前もって車か自宅に置いてくると気を使わずに済みます。
よくある質問|八幡平の日帰り温泉
八幡平の日帰り温泉は何時まで入れますか?
施設によって大きく違います。ふけの湯と後生掛温泉は受付15時00分まで、藤七温泉は17時台まで、松川温泉峡雲荘は19時00分(最終受付18時00分)までです。
八幡平の日帰り温泉の料金はいくらですか?
大人600円から800円の範囲です。ふけの湯700円、後生掛温泉800円、松川温泉峡雲荘700円、藤七温泉は資料により600円と700円の記載があります。
冬でも入れる八幡平の温泉はありますか?
あります。後生掛温泉と松川温泉峡雲荘は通年営業です。標高の高い藤七温泉とふけの湯は期間営業で、冬は閉まります。
八幡平で一番高いところにある温泉はどこですか?
標高1,400mの藤七温泉彩雲荘です。東北で最も高い場所にある温泉とされ、山肌に露天風呂が段々に並びます。
電車とバスで八幡平の温泉に行けますか?
行けますが本数が限られます。松川温泉へは盛岡駅東口から岩手県北バスで約110分、1日2本のみです。登山と組み合わせるより、温泉を主目的にした日程のほうが噛み合います。
まとめ|八幡平の温泉を外さない3ステップ
八幡平の日帰り温泉は、標高で営業条件が変わります。順番を決めておけば、下山後に閉まった扉の前に立つことはありません。
- 標高で選ぶ:1,400mの藤七温泉は期間営業、875mの松川温泉は通年で19時00分まで
- 受付終了から逆算する:15時00分終了の湯なら13時台の下山を目標にする
- 当日の掲示を確認する:料金と時間は資料により差があり、松川温泉は不定期休館がある
八幡平は歩く時間よりも、湯を選ぶ時間のほうが計画を左右する山です。まずは行ける時間帯から湯を1つ決めて、そこに合わせて山の行程を組んでみてください。


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