高尾山に熊は出る?1号路近くの出没と下山時刻の目安

高尾山の山頂から富士山を眺める人 ノウハウ

高尾山にも熊は出ます。八王子市は2026年9月16日、高尾山自然研究路1号路の付近の山中で、8月20日の夜にツキノワグマ1頭が撮影されていたと発表しました。市は「高尾山周辺は、本来ツキノワグマの生息域です」としたうえで、早朝や日没後など暗い時間帯の入山を控えるよう呼びかけています。

▶ 高尾山の全体像は「高尾山ハイキングの初心者ガイド|体力と膝が不安でも」にまとめています。

この記事では八王子市と東京都の発表をもとに、高尾山の熊の出没状況と市が示している対策を整理します。あわせて、国立天文台の日の入り時刻と高尾ビジターセンターのコースタイムから「暗くなる前に登山口へ戻るには山頂を何時に出ればよいか」を月ごとに計算しました。

高尾山の山頂から富士山を眺める人

2026年8月に1号路の近くで撮影された熊

八王子市の発表(9月16日更新)によると、出没の内容は次のとおりです。

項目内容
日時令和8年(2026年)8月20日(木)午後11時ごろ
場所高尾山自然研究路1号路(都道189号高尾山線)付近の山中(高尾町)
個体ツキノワグマ1頭
わかった経緯9月16日にカメラの設置者が映像を確認し、東京都を通じて市に提供
その後市が委託した専門家が現地を確認し、新たな痕跡はなし
市の対応登山道の入口にクマの目撃情報の張り紙を掲出し、関係機関と情報を共有

1号路は麓から山頂までのほとんどが舗装された道で、薬王院の表参道でもあります。報道では撮影された場所は1号路から約70メートル離れた城見台付近の山林と伝えられています。熊が写ったのは夜の11時ごろで、登山者の少ない時間帯でした。

映像が確認されたのは撮影から約1か月後です。高尾山の熊の情報は出没した日と発表の日がずれることがあると覚えておくとよいでしょう。

高尾山はもともと熊がすむ山

八王子市は今回の発表で高尾山周辺はもともとツキノワグマの生息域だと明記しています。市の「ツキノワグマについて」のページでは2026年に出没が報告された場所として高尾山の山中のほかに、上恩方町、八王子城跡、元八王子町二丁目、松枝橋付近の河川内が挙げられています。八王子城跡では5月30日にも目撃があり、別のページで案内されています。

森の中に座る黒いクマ

東京都は都内の熊の情報を「TOKYOくまっぷ」という地図で公開しています。住民や登山者、関係機関から寄せられた目撃のほか、クマ棚やクマ剥ぎ、フンなどの痕跡、センサーカメラの撮影も載っています。令和6年4月以降は随時更新されています。

ただし地図には「ツキノワグマらしき動物」の情報も含まれます。東京都は山の中ではカモシカを熊と見間違えることがあると注意しています。地図の点の数がそのまま熊の数を表すわけではありません。高尾山へ行く前は八王子市のページとTOKYOくまっぷの両方を見ておくと安心です。

暗くなる前に下りるための山頂を出る時刻

市は今回の熊が夜に確認されたことから、早朝や日没後の入山を控えるよう求めています。高尾ビジターセンターも「山には電灯がありません」と書いています。そこで、日が沈む前に麓へ戻るには山頂を何時に出ればよいかを計算しました。

計算に使ったのは国立天文台 暦計算室が公開している2026年の東京の日の入り時刻と、高尾ビジターセンターのコースマップにある1号路の下りの標準タイム(1時間20分)です。日の入り時刻から1時間20分を引いた時刻を「山頂を出る時刻の目安」としました。

日付日の出日の入り山頂を出る時刻の目安
1月1日6:5116:3815:18
2月1日6:4117:0815:48
3月1日6:1117:3616:16
4月1日5:2818:0216:42
5月1日4:5018:2717:07
6月1日4:2718:5117:31
7月1日4:2919:0117:41
8月1日4:4918:4617:26
9月1日5:1318:0916:49
10月1日5:3517:2616:06
10月15日5:4717:0615:46
11月1日6:0216:4615:26
11月15日6:1616:3515:15
12月1日6:3216:2815:08

日の出と日の入りは東京(国立天文台の地点)の値です。高尾山は東京の中心部より経度で約0.5度西にあるため、日の入りは2分ほど遅くなる計算です。一方で、木の多い登山道は空よりも先に暗くなります。表の時刻は余裕を持たせる前の値なので、実際にはさらに早めに山頂を出るのが無難です。

紅葉の時期にあたる11月中旬は山頂を15時15分には出る必要があります。午後に山頂で長く過ごすと、下りの途中で日が沈みます。10月から12月の日の短い時期は、早めに歩き始めて昼すぎには下り始める計画にすると、暗い時間帯に森の中を歩かずに済みます。

薄暗くなった針葉樹の森の道

コースごとの下りの標準タイム

高尾ビジターセンターのコースマップでは主なコースの距離と標準タイムが次のように示されています。

コース全長登り下り
1号路3.8km1時間40分1時間20分
3号路2.4km55分45分
4号路1.5km45分35分
6号路3.3km1時間40分1時間20分
稲荷山コース3.1km1時間40分1時間20分

1号路・6号路・稲荷山コースは下りの標準タイムがどれも1時間20分です。上の表の時刻はこの3つのコースのどれで下りても同じように使えます。ケーブルカーやリフトを使う場合は乗り場の運行時間が別に決まっているため、当日の最終の時刻を確かめておきましょう。

6号路は沢沿いを歩くコースで、日が傾くと特に暗くなりやすい道です。ビジターセンターのサイトでは「6号路登り一方通行(終日) 10/31~12/6」というお知らせも出ているので、秋に6号路で下る計画は組めません。コースの違いは高尾山の全コース比較や6号路の歩き方にまとめています。

熊に会わないために市がすすめていること

八王子市は高尾山の発表と「ツキノワグマについて」のページで次の対策を呼びかけています。

  • 最新の出没情報を確認してから出かける
  • 熊鈴など音の出るものを持ち、音で自分の存在を知らせる
  • 単独行動を避ける
  • 早朝や日没後など、暗い時間帯の入山を控える
  • 山林やヤブの近くでは特に注意する

高尾山は年間に多くの人が登る山で、昼間の1号路は人通りが絶えません。それでも今回の熊は1号路のすぐそばの森で写っています。人の多い山でも、朝早くや夕方に一人で歩く場面では音を出しながら歩くことが基本になります。クマ鈴や熊スプレーの選び方は登山の熊対策の記事で詳しく扱っています。

熊に出会ってしまったときの行動

八王子市は万が一出会ったときの行動を次のように案内しています。

  • 走らずに、様子をうかがいながら静かに後ずさりする
  • 決して背を向けない
  • 大声を出したり、石や棒を投げたりしない(熊を興奮させるため)
  • 子グマの近くには母グマがいる可能性が高いので近づかない

市のページでは地面に倒れて動かないふりをすることに被害を防ぐ効果があるという科学的な根拠はない、とも書かれています。距離を取ることを優先して行動します。

人身被害や差し迫った危険があるときは110番、けが人がいるときは119番に連絡します。熊を見かけたことの問い合わせ先は八王子市経済産業部農林振興・獣害対策課(電話042-620-7250)です。市のページには緊急時の連絡先として同じ課の042-620-7375も載っています。

秋の高尾山で気をつけたい理由

秋はエサとなるドングリ類のほかに柿や栗を求めて人が暮らすエリアの周辺に熊が出てくる可能性もある、と八王子市は書いています。高尾山の麓には民家や畑があり、山と人の生活の場が近い地域です。

落ち葉の上のドングリ

秋は紅葉を見に高尾山を訪れる人が増える時期でもあります。日が短くなる時期と熊が活発に動く時期が重なるので、下山の時刻を早めにすることと、音を出して歩くことの両方を意識しておくと安心です。

市はサル・シカ・イノシシの目撃情報も寄せられているとして、周囲に注意するよう求めています。夏から秋にかけてはヒルにも注意が必要で、その対策は高尾山のヒルの記事にまとめています。

出かける前に確認しておくこと

出発の前日か当日の朝に八王子市の出没情報のページとTOKYOくまっぷを開き、高尾山の周辺に新しい情報が出ていないかを確認します。上の表で当日の「山頂を出る時刻の目安」を確かめ、そこから逆算して歩き始める時刻を決めておくと、暗い時間帯に山の中を歩く心配が減ります。

うろこ雲の下に連なる山並みと富士山

電車とバスでの行き方は高尾山のアクセスの記事にまとめています。帰りの電車の時刻から逆算すると、下山後の予定も立てやすくなります。

写真について

掲載している写真は Unsplash(unsplash.com)から選んだものです。熊の写真は高尾山で撮られたものではなく、高尾山に出没した個体とも関係ありません。

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