三ツ峠山は初心者向き?2つの登山口で標高差2倍

山の稜線越しに見える富士山 季節特集

三ツ峠山は富士山を真正面から見られる山として知られ、「初心者コース」で検索されることの多い山です。ところが登山口が2か所あり、どちらを選ぶかで標高差が2倍以上変わります。

この違いを知らずに駅から歩き出すと、想定の倍を登ることになります。この記事では私たち編集部が2つの登山口の標高を地図データで実測し、体力に見合うほうを選べるように整理しました。

三ツ峠山の基本情報

山名三ツ峠山
所在地山梨県
標高1,785m

この記事でわかること

  • 三ツ峠山の基本情報|三山の総称と標高1,785m
  • 2つの登山口で標高差が2倍以上違う理由
  • 編集部が実測した各登山口の標高と駅からの距離
  • 河口湖駅からのバス(所要25分・540円)の使い方
  • 山頂からの富士山の見え方とクマへの備え

三ツ峠山の基本情報|三山の総称と標高1785m

三ツ峠山は単独の峰の名前ではありません。山梨県観光公式サイトによると、開運山・木無山・御巣鷹山という3つの峰の総称です。

峰の名前標高位置づけ
開運山1,785m三角点のある最高点。一般に「三ツ峠山頂」と呼ばれる
御巣鷹山1,775m北側の峰
木無山1,732mロープウェイ側に近い峰

登山地図で「三ツ峠山」と書かれた地点は開運山を指します。山頂標識も開運山に立っているため、まずここを目標にすれば迷いません。

日本二百名山に数えられ、山頂の岩壁はクライミングの練習場としても使われています。登山道から岩壁を見上げる場面があり、低山にはない迫力があります。

山の稜線越しに見える富士山

2つの登山口はどう違うのか

三ツ峠山には、性格のまったく違う登山口が2つあります。

  • 三ツ峠登山口バス停(河口湖駅からバス)… 標高の高い場所まで乗り物で上がれる
  • 三つ峠駅(富士急行線)… 駅から自分の足で登り始める

「三ツ峠山 初心者」で出てくる記事は、この2つを区別せずに書いていることがあります。前者は登山口から1時間半ほどで山頂に立てる最短ルート、後者は6〜7時間の行程です。同じ山とは思えない差になります。

編集部が実測した標高差と駅からの距離

どれくらい違うのかを、編集部が地図データで確認しました。

起点起点の標高山頂までの標高差性格
三ツ峠登山口バス停約1,231m約554m半日で往復できる
三つ峠駅約618m約1,167m丸一日かかる

標高差はちょうど2倍以上です。554mは高尾山を登山口から山頂まで歩くのとほぼ同じ、1,167mは丹沢の塔ノ岳に近い数字になります。同じ山名で検索していても、体に返ってくる負荷はまったく別物です。

さらに三つ峠駅ルートは、駅から登山口の達磨石まで約3.1km・徒歩57分の舗装路歩きが先にあります。ここは実測値です。登山を始める前に1時間近く歩き、そのあとで1,167mを登ることになります。

達磨石の標高は約964mでした。つまり駅から達磨石までで346m、達磨石から山頂までで約820mを登る配分です。前半の舗装路で体力を使い切らないことが、このルートの要点になります。

どちらを選ぶべきか

月に1〜2回の山歩きを続けている段階なら、三ツ峠登山口バス停からの往復をおすすめします。標高差554mは無理なく歩ける範囲で、富士山の眺めという目的は同じように達成できます。

三つ峠駅から歩くのは、塔ノ岳や大山を日帰りできる体力がついてからで十分です。「初心者コース」という言葉に引かれて選ぶルートではありません。

急な登りが続く山道

河口湖駅からバスで行く三ツ峠登山口

富士急バスの路線案内によると、河口湖駅から三ツ峠登山口までは天下茶屋線のバスで結ばれています。

項目内容
路線富士急バス 天下茶屋線
区間河口湖駅 → 三ツ峠登山口
所要時間約25分
運賃540円(交通系ICカード可)

本数は多くありません。ハイキング向けの便は朝に設定されているため、これに乗れるかどうかで一日の組み立てが決まります。前日に時刻を確認し、画面を保存しておいてください。

バス停周辺は2024年10月撮影のストリートビューが公開されており、降車地点の様子を事前に確認できます。登山口までの取り付きが分かりにくい山ではないため、初めてでも入口で迷う心配は少ないです。

三つ峠駅から達磨石を経て登る道

体力に自信がついてから選ぶルートです。富士急行線の三つ峠駅で降り、舗装路を約3.1km歩いて達磨石に着きます。

達磨石は登山道の入口に置かれた大きな石で、ここから本格的な登りが始まります。周辺のストリートビューは2017年4月の撮影と古く、現在の様子とは差がある可能性があります。

  1. 三つ峠駅(618m)を出発し、舗装路を約57分歩く
  2. 達磨石(964m)から登山道に入る
  3. 急な登りを経て山頂の開運山(1,785m)へ
  4. 往復すると6〜7時間、距離は14km前後になる

下りの距離が長いルートです。ひざへの負担を減らす歩き方は「登山の正しい下り方|膝を守る下山術とNG行動」にまとめています。

山頂からの富士山の見え方

三ツ峠山の価値は、富士山との距離の近さにあります。河口湖を挟んですぐ向こうに富士山が立つ位置関係のため、山頂からは遮るもののない姿を正面から見られます。

富士山を撮影する場所として写真家に知られており、朝夕の時間帯には三脚が並びます。日帰りで行くなら午前中の到着を狙うと、雲が湧く前の姿を見られる可能性が高くなります。

反対に、午後になると富士山が雲に隠れることが増えます。バスの時刻と合わせて、山頂に立つ時刻を逆算しておくと後悔が減ります。

服装と持ち物とクマへの備え

標高1,785mは、里との気温差が10℃前後になります。山梨県観光公式サイトは山梨県内でのツキノワグマ出没にも注意を促しています。

  • 防風性のあるアウター(山頂は遮るものがなく風を受ける)
  • 薄手のフリースなどのミドルレイヤー
  • 登山靴(岩まじりの急坂がある)
  • トレッキングポール(下りが長い)
  • クマ鈴(山梨県内は出没情報がある)
  • 水 1.5リットル以上
  • ヘッドライト(行程が長くなったとき用)

荷物の重さの考え方は「登山の荷物は何キロが正解?ザック重量と軽量化」で解説しています。

低山からのステップアップの考え方は「低山登山とは?初心者に選ばれる魅力と山の選び方」を参考にしてください。

三ツ峠山の日帰りモデルプラン

バス利用を前提に、河口湖駅を起点とした一日の流れを組み立てました。標高差554mを登り、富士山が雲に隠れる前に山頂へ立つことを優先しています。

時刻の目安行動所要
9:50河口湖駅発(天下茶屋線・540円)約25分
10:15三ツ峠登山口バス停(約1,231m)着・支度約15分
10:30登山開始登り約90分
12:00開運山 山頂(1,785m)着・昼食と撮影約60分
13:00下山開始下り約70分
14:10三ツ峠登山口バス停に戻る—

登り90分・下り70分に休憩を足して、登山口を離れてから戻るまで約4時間の行程です。バスの本数が少ないため、帰りの便は必ず往路で確認しておいてください。

午前中に山頂へ着く設計にしているのは、富士山の見え方が時間帯で大きく変わるからです。昼を過ぎると雲が湧きやすく、せっかく登っても白い壁しか見えないことがあります。

三ツ峠山は山頂に立つこと自体より、富士山が見えるかどうかで満足度が決まる山です。天気予報は前日と当日朝の2回確認し、雲が多い予報なら日を改める判断も持っておいてください。

よくある質問

Q. 三ツ峠山は本当に初心者向きですか?

三ツ峠登山口バス停から往復するなら初心者向きです。標高差554m・往復3時間程度で歩けます。ただし三つ峠駅から歩くルートは標高差1,167mで別物です。どちらを指しているかを確認してから計画してください。

Q. 三ツ峠山の3つの峰は全部登れますか?

開運山・御巣鷹山・木無山は近接しているため、体力に余裕があれば周回できます。ただし初回は開運山の山頂で富士山を眺めることに集中したほうが、時間に追われずに済みます。

Q. マイカーでも行けますか?

三ツ峠登山口周辺に駐車スペースがありますが、台数は限られます。休日は埋まりやすいため、確実性を求めるなら河口湖駅からのバスが無難です。

Q. 山小屋はありますか?

山頂近くに山小屋があります。日帰りが基本の山ですが、朝の富士山を狙う場合は宿泊も選択肢になります。営業状況は年によって変わるため、事前に確認してください。

まとめ

  1. 登山口を先に決める。体力に不安があるなら三ツ峠登山口バス停(標高差554m)を選ぶ
  2. 河口湖駅から天下茶屋線で25分・540円。朝の便に乗れるよう前日に時刻を確認する
  3. 富士山が雲に隠れる前の午前中に山頂へ立つ計画にする

三ツ峠山は「どこから登るか」で難易度が2倍変わる山です。標高差554mと1,167mのどちらを歩くのかを決めてから、装備と時刻を組み立ててください。

選び方さえ間違えなければ、富士山を最も近くから眺められる一日になります。

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