関東の梅の名所はどこ?7か所の見頃と咲く順番

曽我梅林と富士山(神奈川県小田原市) 季節特集

関東の梅の名所は茨城の偕楽園と筑波山梅林、埼玉の越生梅林、東京の吉野梅郷と高尾梅郷、神奈川の曽我梅林と湯河原梅林の7か所がよく知られています。見頃は南の神奈川が早く2月上旬から、北の茨城が遅く2月下旬から3月上旬が目安です。

同じ関東でも梅の咲く時期は場所によって1か月近くずれます。この記事では7か所の梅林をそれぞれの公式の資料で確かめた本数とまつりの日程で横に並べ、気象庁が関東の5地点で観測している梅の開花日から、咲く順番に回る計画の立て方をまとめました。

白梅の咲く曽我梅林と雪をかぶった富士山
曽我梅林と富士山(2月下旬)(写真:Quercus acuta / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

関東の梅の名所7か所の一覧

各梅林の記事で確かめた数字を一つの表にしました。まつりの日程は2026年のものです(湯河原梅林は2027年の予定)。

名所都県梅の本数まつりの日程駅からの目安
偕楽園茨城約100品種・3,000本2月11日〜3月22日水戸駅からバス約20分
筑波山梅林茨城約1,000本2月7日〜3月15日つくば駅からシャトルバス約40分
越生梅林埼玉園内約1,000本(周辺を含め約20,000本)2月14日〜3月15日越生駅からバス約15分
吉野梅郷東京梅の公園に約1,200本2月21日〜3月22日日向和田駅から徒歩10〜20分
高尾梅郷東京約10,000本3月14日・15日高尾山口駅から徒歩約10分
曽我梅林神奈川約35,000本2月7日〜3月1日下曽我駅から徒歩約15分
湯河原梅林神奈川約4,000本2027年は2月6日〜3月7日湯河原駅からバス約15分

本数が最も多いのは曽我梅林の約35,000本で、次が高尾梅郷の約10,000本です。ただし曽我梅林は梅の実をとるための白梅の畑が中心で、高尾梅郷は旧甲州街道沿いの約4.5kmに8つの梅林が点在する形なので、1か所で見渡せる本数とは違います。1つの園で多くの品種を見比べたいなら約100品種がそろう偕楽園が一番です。

関東の5地点の梅の開花日

気象庁の生物季節観測累年表から、関東の5地点の梅の開花日を2016年から2025年までの10年分まとめました。平均は10年の開花日を平らにならした日です。

地点近い梅の名所10年の平均最も早い年最も遅い年
東京高尾梅郷・吉野梅郷1月20日1月9日(2024年)2月1日(2022年)
熊谷越生梅林1月29日1月17日(2023年)2月10日(2018年)
横浜曽我梅林・湯河原梅林1月30日1月15日(2024年)2月14日(2022年)
宇都宮(栃木)2月7日1月20日(2016年)2月27日(2022年)
水戸偕楽園・筑波山梅林2月13日2月1日(2024年)2月28日(2022年)

最も早い東京と最も遅い水戸では10年の平均で24日の差があります。同じ年でも東京で梅が咲いてから水戸で咲くまで3週間以上かかるということです。2022年はどの地点でも10年の中で最も遅く、2024年は東京、横浜、水戸で最も早い年でした。早い年と遅い年は関東全体でそろって動く傾向があります(推測)。

横浜では2026年に梅が1月13日に咲き、観測の記録の中で最も早い日付になりました。平年(1991〜2020年)の2月1日より19日早く、2026年は神奈川の梅林のまつりも早めに終わっています。東京の開花日は都心の観測の木で、高尾や青梅の梅林はそれより山に近く気温が低いので、梅林の見頃は開花日より遅れると考えておきます(推測)。

10年分の開花日

年ごとのずれを見るために5地点の開花日をすべて並べました。

年東京横浜熊谷宇都宮水戸
2016年1月10日1月28日2月2日1月20日2月7日
2017年1月10日1月17日1月31日1月23日2月2日
2018年1月19日1月28日2月10日2月15日2月16日
2019年1月21日2月4日1月27日2月8日2月16日
2020年1月27日1月30日1月27日2月13日2月8日
2021年1月18日2月1日1月20日2月12日2月16日
2022年2月1日2月14日2月8日2月27日2月28日
2023年1月21日2月6日1月17日1月31日2月10日
2024年1月9日1月15日1月22日1月26日2月1日
2025年1月29日1月31日2月6日2月17日2月26日

10年のうち9年は水戸が5地点の中で最も遅く、2020年だけは宇都宮が水戸より5日遅くなりました。東京が最も早かった年は10年のうち8年で、2020年は熊谷と同じ1月27日、2023年は熊谷が東京より4日早い1月17日でした。熊谷は内陸で日中の気温が上がりやすい土地なので、年によっては東京と並ぶか追い越すことがあると考えられます(推測)。越生梅林に近い熊谷の開花が早い年は越生も早めに見頃が来るつもりで計画します。

同じ年の5地点の差を見ると、2025年は東京の1月29日から水戸の2月26日まで28日の幅がありました。差が最も小さかったのは2020年で、東京の1月27日から宇都宮の2月13日まで17日でした。関東の梅の名所を北と南で見比べるなら、少なくとも2〜3週間は間をあけて計画すると、両方で花の多い時期に当たりやすくなります(推測)。

紅梅と白梅が満開の梅林の中を通る土の道
満開の偕楽園の梅林(2021年3月)(写真:Yasuyuki_Kawano / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

咲く順番で組む梅の名所めぐり

開花日の表とまつりの日程を合わせると、関東の梅の名所はおおよそ次の順番で見頃を迎えます。

時期の目安見頃に入りやすい名所理由
2月上旬〜中旬曽我梅林・湯河原梅林神奈川の南の暖かい土地。横浜の開花は平均1月30日
2月中旬〜下旬越生梅林・高尾梅郷の駅側の梅林熊谷と東京の開花から2〜3週間あと
2月下旬〜3月上旬偕楽園・筑波山梅林・吉野梅郷水戸の開花は平均2月13日。吉野梅郷のまつりは2月下旬から
3月中旬高尾梅郷の奥の梅林・偕楽園の遅咲き小仏に近い木下沢梅林や遅咲きの品種

高尾梅郷の梅まつりが3月中旬に開かれるのは奥の梅林が遅れて咲くためです。2026年の八王子市の開花の報告では駅に近い梅林が見頃を過ぎたあとにまつりが開かれていました。同じ梅郷の中でも1〜2週間のずれがあるので、駅側だけを見たいなら2月中旬から下旬を選びます。

2回に分けて回るなら、2月中旬に曽我梅林か湯河原梅林、3月上旬に偕楽園という組み合わせがそれぞれの見頃に当たりやすい順番です(推測)。年によって2〜3週間ずれるので、出かける前に各梅林の開花情報を確かめます。

越辺川の向こうに広がる越生梅林と山並み
越辺川越しに見た越生梅林(2月中旬)(写真:京浜にけ / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

歩いて楽しむ梅の名所

梅林を見て帰るだけでなく、歩く距離を選べる名所もあります。各梅林の記事で確かめた歩き方を並べました。

名所歩き方距離や高さ
越生梅林越生町観光協会の「越生梅林コース」で駅から歩く区間を足して約6.2km
湯河原梅林梅林の上の幕山に登る山頂は標高626m
高尾梅郷旧甲州街道沿いの8つの梅林を順に歩く梅林の点在する範囲は約4.5km
吉野梅郷青梅市のモデルコースで日向和田駅から二俣尾駅まで見学を含めて5時間45分
筑波山梅林筑波山の中腹の斜面の梅林を歩く梅林は標高約250m

山歩きを兼ねるなら湯河原梅林から幕山の山頂を目指すか、筑波山梅林から筑波山へ足を延ばす回り方があります。平らな道で梅を見たいなら、偕楽園と曽我梅林が歩きやすい名所です。偕楽園は園内に土の道が多く、曽我梅林は畑の間の道を歩くので、どちらも雨上がりは汚れてもいい靴で出かけます(推測を含む)。

電車で回る梅の名所の組み合わせ

関東の梅の名所の多くは電車とバスで行けます。各梅林の記事で確かめた最寄りの駅と乗り物をまとめました。

名所最寄りの駅駅からの乗り物
曽我梅林JR御殿場線 下曽我駅(国府津駅から乗車5分)徒歩約15分、またはバスで約4分
湯河原梅林JR東海道線 湯河原駅「幕山公園行」のバスで約15分
高尾梅郷京王線 高尾山口駅・JR高尾駅遊歩道梅林へ徒歩約10分。奥の梅林へは小仏行きのバス
吉野梅郷JR青梅線 日向和田駅徒歩10〜20分
越生梅林越生駅バスで約15分
偕楽園JR常磐線 水戸駅(まつりの期間は偕楽園臨時駅も)バスで約20分
筑波山梅林つくばエクスプレス つくば駅シャトルバスで約40分

曽我梅林の下曽我駅と湯河原駅はどちらも小田原の近くにあり、1日で2か所を回る計画が立てやすい組み合わせです(推測)。曽我梅林の下曽我駅ではSuicaやPASMOで改札を通れないので、記事で紹介した注意を確かめておきます。偕楽園は水戸駅から近い弘道館も梅まつりの会場で、1日で2つの会場の梅を見られます。

東京の西側では高尾梅郷と吉野梅郷がそれぞれ中央線と青梅線の沿線にあります。どちらも駅から歩いて梅林に入れるので、車を使わずに梅を見に行きたい人に向いています。茨城の2か所は都心から片道2時間ほどかかる距離なので、1日に1か所に絞ると時間に余裕を持てます(推測)。

岩壁の下の斜面に咲く湯河原梅林の梅
岩壁の下の斜面に広がる湯河原梅林(3月中旬)(写真:Guilhem Vellut from Annecy, France / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

各地の梅の名所の特徴

茨城の偕楽園と筑波山梅林

偕楽園は天保13年(1842年)に水戸藩の徳川斉昭が造った日本三名園の一つで、園内の「水戸の六名木」をはじめ品種の多さが特徴です。筑波山梅林は筑波山の中腹にある市営の梅林で、4.5ヘクタールの斜面に約1,000本の白梅と紅梅が植えられ、梅林の上から関東平野を見渡せます。どちらも水戸の開花日に近い時期に咲くので、関東の中では遅めの名所です。

埼玉の越生梅林

越生梅林は越辺川沿いにある梅林で、園内の約1,000本のほかに周辺の梅畑を含めると約20,000本の梅が咲きます。梅まつりの期間は入園料が500円かかります。越生駅から梅林を通って歩く観光協会のハイキングコースがあり、梅林と里山歩きを一度に楽しめます。

東京の吉野梅郷と高尾梅郷

吉野梅郷の中心の青梅市梅の公園は2014年に病気の広がりを防ぐため梅をすべて伐採し、2016年から植え直して約1,200本まで戻りました。高尾梅郷は高尾山口駅から歩ける遊歩道梅林から、小仏に近い木下沢梅林まで8つの梅林が並びます。高尾梅郷は京王線とJR中央線、吉野梅郷はJR青梅線の駅から歩いて行ける名所です。

神奈川の曽我梅林と湯河原梅林

曽我梅林は約35,000本の白梅が広がる梅の実の産地で、晴れた日には梅林の向こうに富士山が見えます。湯河原梅林は幕山公園に約4,000本の紅梅と白梅が咲き、梅林の上の岩壁と幕山の山頂まで登れるのが特徴です。関東の梅の名所の中では咲く時期が早い2か所です。

紅梅と白梅が咲く木下沢梅林の斜面
高尾梅郷の木下沢梅林(写真:Hotate Chan / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

関東の外の早咲きの名所

関東の梅の見頃より早く梅を見たいなら、静岡県の熱海梅園があります。熱海市によると毎年11月中旬から12月上旬に最初の花が咲き、梅まつりは1月上旬から3月上旬まで続きます。園内の梅は60品種・469本で、本数は関東の名所より少ないものの早咲きから遅咲きまで順に咲くので、関東の梅林より1か月ほど早く花の多い時期に入ります(推測を含む)。奈良県の月ヶ瀬梅林は大正11年(1922年)に国の名勝に指定された渓谷の梅林で、約1万本の梅が咲きます。

梅の季節には河津桜も咲き始めます。神奈川県の三浦海岸の河津桜は2月上旬から3月上旬にまつりが開かれ、曽我梅林や湯河原梅林と同じ時期に見頃を迎えます。同じ日に梅と河津桜をはしごする計画も立てられます(推測)。

植え直された梅の木が並ぶ青梅市梅の公園の園路
再植樹後の青梅市梅の公園(2025年3月中旬)(写真:Bryanmackinnon / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

関東の梅の名所に出かけるときの注意

  • 南の神奈川は2月上旬から、北の茨城は2月下旬から。同じ関東でも見頃は3週間以上ずれる
  • まつりの日程は年によって変わる。開花が早い年は終わりも早まる
  • 入園料がかかる名所がある(偕楽園は大人320円、越生梅林はまつりの期間500円)
  • 週末は駐車場が混みやすい。電車とバスで行ける名所が多い
  • 梅林の道は土の所が多い。雨上がりは歩きやすく汚れてもいい靴で

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