スノーシューとは?雪の上を歩く道具の選び方と重さ・適合荷重

スノーシューを履いて雪の上を歩く人 ギア

スノーシューとは靴の下に付けて雪の上を歩くための道具です。足の裏より大きな板(デッキ)で体重を広い面に分け、雪に沈み込みにくくします。デッキの裏には金属の爪(クランポン)が付いていて、雪の斜面でも滑りにくくなっています。

この記事ではモンベルの公式オンラインストアに並ぶスノーシュー7製品の重さ・大きさ・適合荷重を一つの表にまとめました。サイズから面積を出して、体重がどれくらいの広さに分かれるかも計算しています。

スノーシューを履いて雪の上を歩く人

スノーシューとアイゼンの違い

スノーシューは「沈まない」ための道具、アイゼンや軽アイゼンは「滑らない」ための道具です。新雪や深く積もった柔らかい雪ではアイゼンだけでは足が膝まで沈んで歩けなくなります。逆に踏み固められた道や凍った道では大きなスノーシューは邪魔になり、爪の多い軽アイゼンやチェーンスパイクのほうが歩きやすくなります。

モンベルのカジタックス スノーシューはカジタックスのアイゼンを付けたまま、その上から履ける作りです。深い雪ではスノーシュー、凍った斜面ではアイゼンと、雪の状態に合わせて付け替える前提の道具だとわかります。軽アイゼンについては軽アイゼンの記事、チェーンスパイクについてはチェーンスパイクの記事で扱っています。

スノーシュー7製品の仕様の比較

2026年10月18日時点のモンベル公式オンラインストアの製品ページから書き出しました。重さはいずれも左右1組(ペア)です。適合荷重の記載がない製品は「―」にしています。

製品重さ(ペア)サイズ適合荷重価格(税込)メーカーの説明
アップランド0.92kg22×46cm―25,500円パウダースノー向けの軽量モデル。固く締まった雪面では十分なグリップ力が得られない
カジタックス スノーシュー 461.2kg20.4×46cm―21,000円ワカンタイプの小型・軽量。急登や下りにも強い
ヘリウム BC 231.34kg20×59cm36〜72kg31,900円ヘリウムシリーズの最軽量モデル
ヘリウム TRAIL 231.40kg全長59cm36〜72kg27,500円柔らかい靴でも合わせやすい
カジタックス スノーシュー 561.46kg21.6×56cm―23,500円浮力を高めるデッキ付き。積雪の多い時季に
アルパイン スノーシュー 561.80kg56×20cm〜68kg19,800円取り回しのよいコンパクトな山岳用
アルパイン スノーシュー 661.935kg66×21cm〜91kg21,000円浮力が高く、荷物の多い山行に

最も軽いアップランドは0.92kg、最も重いアルパイン スノーシュー 66は約1.9kgで、2倍以上の差があります。価格は19,800円から31,900円で、軽いモデルほど高い傾向です。

スノーシューで雪原を歩く人

体重はどれくらいの広さに分かれるか

製品ページのサイズ(縦×横)を掛けて、面積の目安を出しました。実際のデッキは長方形ではなく先が細くなっているので、本当の面積はこれより小さくなります。あくまで比べるための目安です。

製品面積の目安適合荷重の上限1cm²あたりの重さ(上限時)
アルパイン スノーシュー 56約1,120cm²68kg約61g
ヘリウム BC 23約1,180cm²72kg約61g
アルパイン スノーシュー 66約1,386cm²91kg約66g

比べるために長さ26cm・幅10cmの登山靴の底を長方形とみなすと、面積は約260cm²です。体重と荷物を合わせて68kgなら、靴の底だけでは1cm²あたり約262gがかかります。アルパイン スノーシュー 56を履くと面積は4倍あまりになり、1cm²あたりの重さは4分の1以下に下がる計算です。

メーカーがアルパイン スノーシュー 66を「荷物が多い山行」向けとしているのは適合荷重の上限が91kgと大きく、重くなっても1cm²あたりの重さを同じくらいに保てるからだと考えられます(推測)。体重に荷物の重さを足して、適合荷重の範囲に収まる製品を選ぶと安心です。たとえば体重60kgの人が6kgの日帰りザックを背負うと66kgで、アルパイン スノーシュー 56(〜68kg)の範囲に入ります。体重70kgで同じザックなら76kgになり、表の中ではアルパイン スノーシュー 66(〜91kg)だけが範囲に入ります。

軽アイゼンとの重さの比較

同じモンベルの製品で比べると、スノーシューは軽アイゼンよりかなり重い道具です。

道具重さ(ペア)
チェーンスパイク(Mサイズ)263g
スノースパイク6(6本爪の軽アイゼン)517g
アップランド(最軽量のスノーシュー)0.92kg
アルパイン スノーシュー 561.80kg

アルパイン スノーシュー 56はチェーンスパイクのおよそ7倍の重さです。雪の深さがわからないまま「念のため」で持つには重いので、歩く場所の積雪を事前に調べ、新雪や深雪を歩くとわかっている日に持っていく道具と考えるのが現実的です。

雪を踏み固めながら進む人

デッキと爪の素材の違い

製品ページの素材の欄を見ると、同じスノーシューでもシリーズごとに作りが違います。

シリーズフレーム・デッキ爪(クリート)メーカーが挙げる特長
アルパイン スノーシューアルミニウム合金のフレームにTPUで覆ったポリエステル生地のデッキマンガン鋼フレーム全体が爪として働き、斜面を横切るときにも滑りにくい。保水しにくいバンドで極寒地にも対応
カジタックス スノーシューアルミニウム合金のフレーム(56はPVCで覆ったデッキ付き)SK5炭素鋼進む向きと平行にも爪があり、斜面を横切るときに効く。重ねるとコンパクト
ヘリウム(アトラス)穴をあけて軽くした樹脂の一体成型デッキ金属のクランポンとギザギザのレールすき間から雪を流し、デッキの裏に雪がたまりにくい

布のデッキは軽くて柔らかく、樹脂のデッキは雪が裏にたまりにくい、という違いがあります。どちらが良いかは歩く雪の質によるので、レンタルで両方を試せるなら比べてみる価値があります。

大きさの選び方

メーカーの説明を並べると、大きさの選び方は次のように整理できます。

  • 46cm前後(アップランド、カジタックス 46):軽さと取り回し重視。急な登り下りに強いが浮力は小さい
  • 56〜59cm(アルパイン 56、ヘリウム 23):取り回しと浮力のバランス型。最初の1台の候補
  • 66cm(アルパイン 66):浮力重視。体重と荷物が重い人や、深い新雪の多い場所向け

アップランドの製品ページには「固く締まった雪面では十分なグリップ力が得られません」と書かれています。軽いモデルほど使える雪の条件が限られるので、春先の締まった雪や凍った斜面も歩くなら、金属の爪が付いたモデルを選ぶほうが安全です。

持ち運びではアルパイン スノーシューのバンドは平らにたためて、左右を重ねてコンパクトに持てる作りです。モンベルにはスノーシューを入れる専用の袋(スノーシューサックのMとL)もあり、ザックの外に付けるときにほかの荷物を傷つけずに済みます。

ヒールリフトとは

アルパイン スノーシューとヘリウムシリーズにはかかとの下に立てられる「ヒールリフト」が付いています。モンベルの説明では急な斜面を登るときに疲れを減らし、アキレス腱やふくらはぎへの負担を抑えるための装備です。登りでかかとが持ち上がった状態になるので、つま先立ちのような姿勢で登る必要がなくなります。

平らな雪原を歩くだけなら使わない装備ですが斜面を登る山岳用のモデルには付いていることが多く、選ぶときの分かれ目の一つになります。

買う前に試すなら

モンベルの製品ページにはモンベルストアでスノーシューのレンタルを受け付けていると書かれています。「購入の前に試してみたい」人向けの案内で、レンタルのあとに対象の製品を買うとモンベルポイントがもらえます。スノーシューは安くても2万円近くするので、1回レンタルで歩いて、自分の歩く雪の深さや斜面に合うかを確かめてから買うと失敗が減ります。

通販で探す場合はモンベルのスノーシュー(Amazonで検索)やスノーシュー 登山用(Amazonで検索)などで探せます。

雪景色の中を歩く人

スノーシューで歩くときの注意

  • スノーシューを付けても靴とズボンは雪に触れる。防水の登山靴とスパッツをそろえる
  • 冬の高原は風が強く冷える。服装は冬の登山の服装の記事を参考に
  • 雪の斜面には雪崩の危険がある。斜面の下や谷筋を歩くときは特に注意する(雪山登山の基本の記事)
  • 下りは前のめりにならず、かかとから雪に置くように歩く。急な下りでは爪の多い軽アイゼンへの付け替えも考える

ロープウェイで上がれる冬の高原には雪の上をスノーシューで歩く人が多い場所もあります。北八ヶ岳の坪庭は北横岳の記事、霧ヶ峰は霧ヶ峰の記事で夏のコースを紹介しています。冬に歩く場合は現地の積雪と、ロープウェイや道路の冬の運行を確かめてから出かけてください。

小川の流れる雪原

コメント

タイトルとURLをコピーしました