初日の出登山は何時に着けばいい?関東7山の日の出と夜明け前の気温

雪の残る山頂で日の出を眺める人たち ノウハウ

2027年の元日、関東の低山の山頂で初日の出が見えるのはおおむね6時45分から6時50分です。国立天文台の計算で7つの山を調べると、最も早いのは筑波山・大山・鋸山の6時45分、最も遅いのは宝登山の6時50分でした。空が明るくなり始めるのは6時21分から6時26分なので、初日の出登山では山頂に着くまでの大半を暗い中で歩くことになります。

▶ 高尾山の全体像は「高尾山ハイキングの初心者ガイド|体力と膝が不安でも」にまとめています。

▶ 低山の全体像は「低山登山とは?初心者に選ばれる魅力と山の選び方」にまとめています。

この記事では山頂ごとの日の出の時刻と、1月の夜明け前に山頂がどれくらい冷えるかを気象庁の平年値から計算して並べました。初日の出を見に行く山を選ぶときと、家を出る時刻を決めるときの材料にしてください。

雪の残る山頂で日の出を眺める人たち

2027年元日の山頂の日の出時刻

国立天文台の「天体の出入りと南中」で、各山頂の緯度・経度・標高を入れて2027年1月1日の日の出を計算しました。比べるために同じ場所で標高を0mにしたときの時刻も出しています。

山標高山頂の日の出標高0mの場合差日の出の方位
筑波山877m6:456:516分早い117.5°
大山(丹沢)1,252m6:456:527分早い117.0°
鋸山329m6:456:494分早い117.4°
日の出山902m6:476:536分早い117.3°
御岳山929m6:476:536分早い117.3°
高尾山599m6:486:524分早い117.4°
宝登山497m6:506:544分早い117.6°
(参考)東京0m6:50――118.1°

東京の値は国立天文台の東京の日の出入り表と同じ6時50分です。方位は真北を0°として時計回りに数えた角度で、117°前後は東南東にあたります。山頂の東南東が開けているかどうかで、計算どおりに日の出が見えるかが決まります。

高い山ほど早く日が出る理由

国立天文台の計算では日の出は太陽の上の端が地平線に重なった時刻です。標高が高いと地平線が下に見えるため、同じ場所でも太陽が早く顔を出します。表の「差」がその分で、標高300m台の鋸山で4分、1,252mの大山で7分です。

ただしこの計算は東の方角に海のような平らな地平線が見える前提です。実際には東側に山や尾根があると、その上に太陽が出るまで数分から十数分遅れます。鋸山は東側に房総の丘陵があり、宝登山も秩父の山に囲まれているので、表の時刻より遅く見えると考えておくのが安全です。

日の出の時刻は場所でも変わる

東にある山ほど日の出は早くなります。筑波山は東京より経度が0.4°ほど東にあり、標高0mでも6時51分と東京とほぼ同じです。そこに標高の分が加わって6時45分になります。宝登山は東京より0.6°ほど西にあり、標高0mでは6時54分と東京より4分遅い計算です。

海の向こうから昇る朝日

空が明るくなり始める時刻

日の出の前でも空は少しずつ明るくなります。国立天文台の計算で太陽の中心が地平線の6°下に来る時刻(常用薄明の始まり)を出すと、7つの山はいずれも6時21分から6時26分でした。

山明るくなり始める時刻山頂の日の出間の時間
鋸山6:216:4524分
筑波山6:226:4523分
大山(丹沢)6:246:4521分
高尾山6:246:4824分
日の出山6:256:4722分
御岳山6:256:4722分
宝登山6:266:5024分

常用薄明が始まる前は木の根や石が見分けにくい暗さです。日の出の30分前に山頂に着こうとすると、6時15分ごろまでの道はすべて暗い中を歩くことになります。初日の出登山でヘッドライトが欠かせないのはこのためです。予備の電池まで持ちたい理由は登山用ヘッドライトの選び方で扱っています。

夜明け前の山頂の気温

1日のうちで最も冷え込むのは夜明け前後です。山頂の近くに気象庁の観測点はないので、麓のアメダスの1月の日最低気温の平年値(1991〜2020年)を気象庁が標高補正に使う「100mにつき0.6℃」で山頂の高さに換算しました。

山元にしたアメダスアメダスの1月の日最低気温山頂の換算値
高尾山(599m)八王子(123m)-1.8℃約-4.7℃
宝登山(497m)秩父(232m)-3.8℃約-5.4℃
日の出山(902m)青梅(155m)-2.3℃約-6.8℃
御岳山(929m)青梅(155m)-2.3℃約-6.9℃
筑波山(877m)つくば(館野)(25m)-2.8℃約-7.9℃
大山(1,252m)海老名(18m)-0.6℃約-8.0℃

7つのうち換算できた6つの山はどこも夜明け前の平年の気温が氷点下です。600m前後の高尾山でもマイナス5℃近く、1,000mを超える大山ではマイナス8℃前後になります。鋸山は近くに比べられるアメダスがないため換算していません。

この換算は推定で、実際の気温とは違います。よく晴れた風の弱い夜は冷えた空気が平地や盆地にたまり、山の中腹のほうが暖かくなることがあります。つくば(館野)や秩父は冷え込みやすい場所なので、筑波山と宝登山の換算値は低めに出ている可能性があります。

風が吹くと体感はさらに下がる

山頂で日の出を待つ20〜30分は歩いているときと違って体が温まりません。気温と風速から体で感じる寒さを出す計算式(北米の気象機関が使う体感温度の式)で、風速5m/sのときを計算すると次のとおりです。

  • 高尾山の換算値マイナス4.7℃ → 体感は約マイナス11℃
  • 日の出山・御岳山の換算値マイナス6.8℃前後 → 体感は約マイナス13℃
  • 大山の換算値マイナス8.0℃ → 体感は約マイナス15℃

歩いて汗をかいたまま止まると、さらに冷えます。山頂に着いたら汗で濡れた肌着の上にダウンなどの保温着を重ね、手袋と帽子もそろえておきます。冬の低山の重ね着は冬の登山の服装の記事に高尾山の月別の気温は高尾山の気温の記事にまとめています。

雲海の上の日の出を撮影する人

ケーブルカーとロープウェイの元日の運行

初日の出の時刻にケーブルカーやロープウェイを使えるかは元日の特別な運行があるかどうかで決まります。高尾登山電鉄の案内では2026年10月17日のケーブルカーの運行は8時00分からでした。ふだんの始発では日の出に間に合いません。

2026年10月17日の時点で、2027年の元日の運行を案内している公式のページは高尾登山電鉄・御岳登山鉄道のどちらでも見つかりませんでした。年末年始の運行は例年12月ごろに発表されるので、出かける前にそれぞれの公式サイトを確かめてください。案内が出ていないうちはケーブルカーを使わずに歩いて登る前提で計画を立てるのが確実です。

筑波山については、筑波観光鉄道のロープウェイの時刻表に「例年1月1日は元旦早朝運転(始発4:30~)を実施」と書かれています。2027年の元日も同じかは12月の発表を確かめてください。なお筑波山ケーブルカーは2026年9月25日から当面の間、安全確認のため運行を休止しています(同社のお知らせ)。

高尾山のケーブルカーのふだんの運行は高尾山ケーブルカーの記事、大山のケーブルカーとコースの所要時間は大山のケーブルカーの記事を見てください。

1月上旬なら日の出の時刻はほとんど変わらない

国立天文台の東京の表では2027年1月の日の出は1日が6時50分、2日から13日までが6時51分、14日に6時50分へ戻ります。冬至を過ぎても1月の前半は朝の明るくなる時刻がほとんど変わりません。日の入りのほうは1日の16時38分から14日の16時50分まで、2週間で12分遅くなります。

つまり元日を外して1月の最初の週末に登っても山頂で日の出を迎える時刻は元日とほぼ同じです。元日は人が集中し、臨時の運行に合わせた計画が必要になります。混雑を避けたい場合や、日程に余裕を持たせて晴れた日を選びたい場合は1月上旬の休日にその年最初の山頂の日の出を見に行く方法もあります。初日の出という呼び名にこだわらなければ、選べる日はぐっと増えます。

7つの山の向き不向き

高尾山と日の出山

高尾山は駅から近く、初日の出登山の候補として最初に挙がる山です。ただし元日は人が集中しやすく、暗い道を大勢で歩くことになります。日の出山は名前のとおり東が開けた山で、都心の方角を見渡せます。御岳山からの道のりは日の出山の記事にまとめました。

筑波山と大山

筑波山と大山は7つの中で日の出が最も早い6時45分です。どちらも標高が高い分だけ冷え込みも強く、換算値はマイナス8℃前後になります。筑波山のコースごとの難しさは筑波山の登山の記事で扱っています。

鋸山と宝登山

鋸山は標高329mと低く、換算値の出せない山ですが海沿いのため内陸の山ほどは冷え込まないと考えられます(推測)。石段が多い山なので、暗い中では足元に特に気をつけます(鋸山の登山の記事)。宝登山は日の出が7つの中で最も遅い6時50分です。1月には山頂の蝋梅が咲き始めます(宝登山の蝋梅の記事)。

夜明けの雪の山道を歩く人

暗い中を歩くときの持ち物と注意

  • ヘッドライトと予備の電池。寒さで電池は早く減る
  • 保温着・手袋・帽子。山頂で日の出を待つ20〜30分に体が冷える
  • 温かい飲み物を入れた保温ボトル
  • 日陰や北側の道が凍っているときのための滑り止め(チェーンスパイクの記事)
  • 下山の電車やバスの時刻。元日は臨時の時刻になることがある

初日の出のあとは大勢が一斉に下り始めるので、登りよりも下りのほうが混みます。山頂で少し時間をずらしてから下りると、狭い道で立ち止まる時間が減ります。暗い中を歩くのが不安な場合は日の出を麓の展望地で見て、明るくなってから登る方法もあります。

富士山と初日の出を一緒に見たい場合の展望地は初日の出は富士山でどこから見るかの記事で紹介しています。

夜明けの岩の尾根から谷を見下ろす人たち

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